映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「京大変人講座 常識を飛び越えると、何かが見えてくる」酒井敏他

2020年08月15日 | 本(解説)

常識の枠を超えた自由な発想で

 

 

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常識を飛び越えると、何かが見えてくる。
京大の「常識」は世間の「非常識」。
まじめに考えると、人間も生物も地球も、どこかおかしい。
だから、楽しい。

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以前「東京藝大物語」という本を読みまして、
そこにはまさに様々な変人学生が紹介されていました。

そこでこの本もそれに類するものかと思ったのですが・・・。
いえいえ、こちらは至極アカデミックな教養の書でありました。

京大は「自由な学風」、「変人のDNA」が連綿と受け継がれているといいます。
すなわち、学生もそうであろうけれども、先生方も、
常識の枠を超えた自由な発想で、ユニークな研究に取り組んでいるということのようです。
本書は、その教授陣による「公開講座」の記録。

そのテーマは・・・

★毒ガスに満ちた「奇妙な惑星」へようこそ

  学校では教えてくれない! 恐怖の「地球46億年史」

★なぜ寿司屋のおやじは怒っているのか

  「お客様は神さま」ではない!

★人間は“おおざっぱ”がちょうどいい

  安心、安全が人類を滅ぼす

★なぜ、遠足のおやつは“300円以内”なのか

  人は「不便」じゃないと萌えない

 

などなど・・・、
ね、ちょっと興味をそそられるでしょう?

それぞれ、地球岩石学、サービス経営学、法哲学、システム工学という
ジャンルもバラバラの「学問」です。
私などのどシロウトでも大変読みやすくなっています。

 

そんな中で、今気になる「安心・安全」の話・・・。

安心・安全とは今盛んに使われる言葉ですが、

○安心と安全は別のものなのに、セットになってしまっている

○人任せ、国任せにしてしまいがち

○キリがない

・・・と、教授は警告しています。

そして、「自分の感覚を信じ、育てることをもう少し大事にしていい」
「未来が予測と違う方向へ転がりはじめたとき、起きたことをどう受け止めるか」
考えようということで・・・。

本巻はコロナ以前の書でして、
今このどうしようもなく「安全」でもなく「安心」でもない局面をどうしたものか、
今お話を伺いたいです・・・。

図書館蔵書にて

「京大変人講座 常識を飛び越えると何かが見えてくる」酒井敏他 三笠書房

満足度★★★★☆

 



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