常識の枠を超えた自由な発想で
* * * * * * * * * * * *
常識を飛び越えると、何かが見えてくる。
京大の「常識」は世間の「非常識」。
まじめに考えると、人間も生物も地球も、どこかおかしい。
だから、楽しい。
* * * * * * * * * * * *
以前「東京藝大物語」という本を読みまして、
そこにはまさに様々な変人学生が紹介されていました。
そこでこの本もそれに類するものかと思ったのですが・・・。
いえいえ、こちらは至極アカデミックな教養の書でありました。
京大は「自由な学風」、「変人のDNA」が連綿と受け継がれているといいます。
すなわち、学生もそうであろうけれども、先生方も、
常識の枠を超えた自由な発想で、ユニークな研究に取り組んでいるということのようです。
本書は、その教授陣による「公開講座」の記録。
そのテーマは・・・
★毒ガスに満ちた「奇妙な惑星」へようこそ
学校では教えてくれない! 恐怖の「地球46億年史」
★なぜ寿司屋のおやじは怒っているのか
「お客様は神さま」ではない!
★人間は“おおざっぱ”がちょうどいい
安心、安全が人類を滅ぼす
★なぜ、遠足のおやつは“300円以内”なのか
人は「不便」じゃないと萌えない
などなど・・・、
ね、ちょっと興味をそそられるでしょう?
それぞれ、地球岩石学、サービス経営学、法哲学、システム工学という
ジャンルもバラバラの「学問」です。
私などのどシロウトでも大変読みやすくなっています。
そんな中で、今気になる「安心・安全」の話・・・。
安心・安全とは今盛んに使われる言葉ですが、
○安心と安全は別のものなのに、セットになってしまっている
○人任せ、国任せにしてしまいがち
○キリがない
・・・と、教授は警告しています。
そして、「自分の感覚を信じ、育てることをもう少し大事にしていい」
「未来が予測と違う方向へ転がりはじめたとき、起きたことをどう受け止めるか」
考えようということで・・・。
本巻はコロナ以前の書でして、
今このどうしようもなく「安全」でもなく「安心」でもない局面をどうしたものか、
今お話を伺いたいです・・・。
図書館蔵書にて
「京大変人講座 常識を飛び越えると何かが見えてくる」酒井敏他 三笠書房
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます