映画と本の『たんぽぽ館』

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アーニャは、きっと来る

2021年09月29日 | 映画(あ行)

ユダヤの子どもたちを救え!

* * * * * * * * * * * *

1942年、ナチス占領下のフランス。
ピレネー山脈麓の小さな村。
羊飼いの少年ジョー(ノア・シュナップ)がユダヤ人のベンジャミンと出会います。
ベンジャミンは、離ればなれになってしまった我が娘・アーニャと
ここで会う約束をしているので待っているのです。
そしてユダヤ人の他の子供たちを安全なスペインへ逃がそうと計画を立てています。
それを知ったジョーは、ベンジャミンに協力することに。

また一方、ジョーはドイツ軍下士官・ホフマンと知り合います。
ドイツ兵なんかと口も聞きたくなかったけれど、
同じ山間部に育ったというホフマンは、
妙にジョーを気に入って親しく語りかけてくるのです。
そうして話をしてみれば、
ホフマンは気持ちの優しい、本来なら信頼できる人物だと、ジョーは思います。

やがて、ドイツの捕虜収容所からジョーの父が帰国。
父親はしばらくは生活が荒れていましたが、
やがてジョーのユダヤ人救出への関与を知り、
村人たちも一致協力して、子どもたちを逃がす大作戦が始まります。

フランス山間部からユダヤ人を国境越えさせて逃がすという物語、
これまでにも多くあります。
どれも面白いのは、その勇気ある心意気が私たちの胸を打つから。
今にもバレそうになるスリルもいいです。
大抵はそれと共に少年の成長が描かれていたりもします。

本作では、少年の祖父がジャン・レノ。
風格があって、頼りになります!!

そして、ドイツ軍のホフマン伍長の存在もまた欠かせません。
本来戦争なんかない方がいいと思っている彼は、
あるときジョーと山に鷲を見に行きます。

鷲にとっては国境も戦争もなく、ただこの山中で自由に生きていくだけ・・・
悠々と空を行く鷲の姿は、そんなことを思わせます。
どうして人は戦争なんかするのだろう・・・。

ジョーがただ闇雲にドイツ兵を恨んだり憎んだりするのではなく、
相手も同じ血の通った人間と認識するところが、大事ですね。
好きな物語です。

<WOWOW視聴にて>

「アーニャは、きっと来る」

2019年/イギリス・ベルギー/109分

監督:ベン・クックソン

原作:マイケル・モーパーゴ

出演:ノア・シュナップ、トーマス・フレッチマン、フレデリック・シュミット、
   エルザ・ジルベルスタイン、ジャン・レノ、アンジェリカ・ヒューストン

 

レジスタンス度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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