こんな人をあなたは愛し続けられるか・・・?
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気づいたら病院のベッドに横たわっていたわたし・三笠南。
目は覚めたけれど、自分の名前も年齢も、家族のこともわからない。
現実の生活環境にも、夫だという人にも違和感が拭えないまま、毎日が過ぎていく。
何のために嘘をつかれているの?
過去に絶望がないことだけを祈るなか、胸が痛くなるほどに好きだと思える人と出会う…。
何も思い出せないのに、自分の心だけは真実だった。
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私、近藤史恵さんのファンではありますが、すべてを読んでいるわけではありません。
今回は、図書館予約ですぐに借りられる本・・・ということだけで選びましたが、
何と、本当にそれだけのものだったかも・・・。
南という女性が主人公。
彼女が病院のベッドで目を覚ますところから始まりますが、
何と彼女は記憶を失っていて、自分が誰なのかもわからない。
しかし幸い身元はわかっていて、「夫」が見舞いにやって来ます。
見知らぬ他人が「夫」だと名乗り、家では義姉と義母との同居だという。
他に行く当てもない南は、退院し、見知らぬ家へ帰ります。
夫や家族に対面しても何も思い出せず、愛着すら感じません。
しかし彼女の夢の中には懐かしく愛すべき男性が登場するのです。
間違いなく自分はこの人を愛している・・・。
そう確信する彼女ですが、どこの誰ともわからないし、
そもそも自分には夫がいて、なぜ・・・?
・・・と、謎めいたストーリーはまずまず。
本作は時系列の通りに描くとつまらないかもしれません。
記憶喪失ということでストーリーとしては佳境になるべき部分から始まったのが効果的です。
けれども、自分を騙し続けお金も剥ぎ取った憎むべき男が、
ただ表面「優しげなイケメン」と言うことだけで愛情を持ち続けることができるのかどうか・・・。
そこのところにリアリティを感じ納得・共感できるかどうかが、好悪の分かれ道なのかも。
私はダメでした・・・。
いかに「ミステリ」であってもそういうところは大事なような気がします。
短編ならいざ知らず・・・。
図書館蔵書にて
「わたしの本の空白は」近藤史恵 角川書店
満足度★★☆☆☆
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