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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

赤ちゃん泥棒

2018年05月03日 | 映画(あ行)

親としての責任に目覚めるとき・・・

* * * * * * * * * *


コーエン兄弟の手がけた作品。
未見でした。


ハイ(ニコラス・ケイジ)は強盗稼業をして刑務所に何度も出入りしていたのですが、
そこに勤める女性警察官エド(ホリー・ハンタ)に一目惚れ。
きっぱりと足を洗って、ついに結婚しました。
ところがいつまでたっても子どもに恵まれません。
妻の方に不妊症状があることがわかります。
すっかり生きる意欲をなくした妻は、警察の仕事もやめてしまいます。
そんな時、2人はある大富豪の家に五つ子が誕生したことをテレビで知ります。
5人もいるのなら、一人くらいいなくなってもいいだろうと、
2人は五つ子のうちの一人を誘拐してしまうのです。

五つ子ということはつまり、不妊治療の末にようやく授かった赤ちゃんなわけです。
一人くらいなくてもいいだろうと思うのは勝手な思い込み・・・。
が、そう思ってしまうくらい2人は赤ちゃんが欲しかったんですね。
ところがまあ、コーエン兄弟の作品なので、
シリアスな誘拐ドラマにはならなくて、ドタバタコメディになっています。
この二人の元へ、夫のムショ仲間が脱獄して現れたり、
赤ちゃん探しの賞金稼ぎが現れたりのてんやわんや・・・。

ものすごく子どもが欲しいと思っていたにもかかわらず、
いざ一人の赤ちゃんを自分の子供として育てようとする時、
その責任の重大さに、ハイは青ざめてしまうのです。
そんな感情は結構リアルで、よく分かる。
そんな思いを踏み越えて、ようやく人は「親」になるのだなあ・・・。

そして本作中、この赤ちゃんが終始機嫌よくてニコニコなんですよ。
カワイ~。
この赤ちゃんの前では誰もが優しくいい人になってしまうようです。
楽しめました。


ニコラス・ケイジが若い!! 
ハイの上司の妻役がフランシス・マクドーマンド。
で、この方、ジョエル・コーエンの奥様・・・。
なるほど。
「スリービルボード」の記憶が新しい。


<WOWOW視聴にて>
「赤ちゃん泥棒」
1987年/アメリカ/94分
監督:ジョエル・コーエン
製作:イーサン・コーエン
出演:ニコラス・ケイジ、ホリー・ハンタ、ジョン・グッドマン、ウィリアム・フォーサイス、フランシス・マクドーマンド