映画と本の『たんぽぽ館』

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素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー

2014年05月18日 | 映画(さ行)
ロボットに人格はあるか



* * * * * * * * * *

近未来のオハナシ。
物忘れがひどくなってきた父・フランク(フランク・ランジェラ)を心配し、
息子ハンター(ジェームズ・マースデン)が、介護用のロボットをプレゼントします。

はじめのうち、ロボットなんて、と毛嫌いしていたフランクが、
次第にロボットと心を通わせていく。
このロボットは介護用に作られたもので、
老人の健康管理はもちろんのこと、生きがいを持たせることすらプログラムされているのです。
ところでこのフランクは、かつて宝石を専門とする泥棒だった・・・! 
もう一花咲かせたい、そう思ったフランクは、
ロボットを弟子に仕立てて泥棒の計画を練る。
すると次第に活き活きと元気になってくるのですね。



ロボットは、この行為が法に触れることはわかっているのですが、
それよりもなお主人の健康を優先とする。
だから泥棒にも加担するのです。
フランクにとってはロボットが家族よりも頼りになり親しみを感じる存在となっていく。
「鉄腕アトム」世代の私は、
こうしてロボットと心を通わせていくことには全く違和感を覚えません。
いいですよねー、介護ロボットでなくても
家事ロボットとして一家に一台欲しい。
相当高いでしょうけどねえ・・・。



ところで、フランクは最後までこのロボットに名前をつけませんでした。
最後まで「ロボット」と呼んでいましたね。
既に『友人』としての位置を認めていたのにもかかわらず。
どうしてなんだろう、と考える。
名前なんかつけなくても、人格を認めていると、
逆に強調したかったのか。
・・・そう、あくまでもロボットは機械なんですよ。
最後まで感情は持っていない。
感情を持っている様に思うのはあくまでの人間の『気持ち』。
パスワードで突然電源を切られても、記憶を消去されても
「悲しい」という気持ちはないはずだ。
本作でも決してロボットが何故か感情を持つようになったのではない、
ということを貫き通すために名前を持たせなかったのかもしれません。



しかし、これくらいの近未来でも
老人の認知症の治療薬は開発されていないわけね・・・。

素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー [DVD]
フランク・ランジェラ,スーザン・サランドン,ジェームズ・マースデン,リブ・タイラー,ピーター・サースガード
KADOKAWA / 角川書店



「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」
2012年/アメリカ/89分
監督:ジェイク・シュライアー
出演:フランク・ランジェラ、ジェームズ・マースデン、リブ・タイラー、スーザン・サランドン

ロボットの完成度★★★★★
満足度★★★★☆