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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

スペースカウボーイ

2010年09月05日 | クリント・イーストウッド
老体にむち打って、宇宙を駆るカウボーイたち



            * * * * * * * *

期せずして、これは先日見た「ライトスタッフ」の続きみたいな話になりましたね。
そうなんです。
この作品は公開時に見たんですけれどね。
考えてみたら、イーストウッドのSFものって、今までほとんどないですよね。
そういえば・・・。たいていは刑事とかで・・・。
宇宙服を着たイーストウッドなんて、見たのは初めてだねえ。
でも、何だかSFを観た、と言う気が全然しないね。
そうだね。
ストーリーは宇宙なんだけど、
内容は不屈の精神&反骨精神で命をかけるタフな男の物語・・・で、
いつものイーストウッド節だね。

冒頭、1958年。
アメリカ空軍のテストパイロット、フランク・コービン(クリント・イーストウッド)と
彼の仲間たち、“チーム・ダイダロス”は
当時のアメリカの“マーキュリー計画”で、
有人宇宙飛行のパイロットに選ばれるものと、期待していたんだ。
このあたりが、まさに、「ライトスタッフ」なんだね。
うん。しかし、その映画中にもあったように、初のパイロットは、なんとチンパンジーだったんだ。
すっかりいじけてやる気を失った彼らは、それぞれ道を分かつことになる。
フランクは、エンジニアとして、人工衛星のシステム開発に取り組んだわけ。


さて、そして現代。
ロシアのある人工衛星がこのままでは墜落、ということがわかる。
別に落ちても空中で燃え尽きてしまうだけ、特に問題はないのでは・・・?
・・・と、思うんだけどね、
何故かロシアの大使は大事な記念の衛星だから、何とか修理できないか、なんていう。
それが何故か奇々怪々のことに、当時ソ連で作ったその衛星のシステムが、
アメリカの当時の衛星スカイラブとシステムが同じだという・・・。
ひえ~、何らかのスパイ活動があったっていうこと・・・?
そうなんだよねー。それだけでも大問題じゃん。
まあ、それはともかく、そのスカイラブのシステムを作ったのがフランクだったのです。
もう、その回路はレトロすぎて、今では誰もわからない。
そこでNASAに呼び出されたフランク。
しかし、彼は昔夢を打ち砕かれたことを未だに根に持っている。
そこで、自分たちの“チーム・ダイダロス”で、宇宙に行って
直接自分たちで直すと強情を張る。
渋々の承諾を得て、4人のご老体たちがスペースシャトルに乗り込み、
宇宙飛行を目指すべく訓練が始まる。

え~と、そのご老人たちって、70歳くらいにはなってるよね・・・。
「アルマゲドン」でも、全くのドシロウトたちが促成で宇宙飛行の訓練をするけれども、
これはさらに過激だなあ・・・。
さてさて、とにもかくにも宇宙に飛び立った彼らが、そのロシアの衛星にたどり着くわけだ。
すると、その衛星にはとんでもないものが搭載されていた!!
ははあ・・・、なんか想像つきますけれど。
そうね。というわけで、これがにわかに超危険で猶予ならないミッションとなるのです。
宇宙船とイーストウッド、滅多に見られない光景ですよ~。
お定まりどおり、犠牲者も出るんですけどね・・・。

高齢化社会。年を取ったって若い者なんかに負けてたまるか、という。
そういうイーストウッド監督の意地が光ります。
宇宙に乗り出すけれど、魂はレトロなカウボーイ。
ちょっとしゃれた題名ですよね。
トミー・リー・ジョーンズも宇宙服を着込んで、これぞほんとに宇宙人だね。

スペースカウボーイ 特別編 [DVD]
クリント・イーストウッド,トミー・リー・ジョーンズ,ドナルド・サザーランド,ジェームズ・ガーナー
ワーナー・ホーム・ビデオ



2000年/アメリカ/130分
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー、ジェームズ・クロムウェル