「グイン・サーガ126/黒衣の女王」 栗本薫 ハヤカワ文庫

トントントンと、話は進みますね。

もう、イシュトバーンがパロに来てしまった。
いよいよリンダとのゴタイメ~ンです。

といっても、あの若き日の二人の誓い以来ではなく、
ナリスの死のときにも逢っているんだよね。

でも、そのときは大変な混乱の中で、
ゆっくりした対面ではなかった。
その時の話も含めて、
初めて二人がじかに思いを話し合うことになったわけです。

リンダというのはこうしてみると
ごく普通の「女」なんだなあ、という気がしますね。

イシュトバーンと結婚なんてとんでもない、と思っている。
しかし、以前結婚を誓った仲でもあり、
また、その頃よりいっそうたくましく男っぽくなったその彼に、
魅力を感じてもいる。
そしてまた、未だに結婚したいと思っているなどと聞かされては
ついうれしくなってしまう。

・・・そういう心の揺れは、まさに、
普通に女性の中にある気持ちだものねえ。

どちらかというと、
あっさりとナリスと結婚してしまった時の方が意外な気がしたんですが・・・。

うん、あの時のほうがちょっと唐突感があったなあ・・・。

そういうのも、リンダの案外ないい加減さが出てる感じです・・・。
しかし、本当にリンダはナリスが好きだったのでしょうか?
献身的な愛は分かるのだけれど・・・。
そんなにいつまでも喪服を着ていたくなるほど
本当に愛していたとは思いがたい・・・。

う~ん、でもまあ、本人が愛とはそういうものだと信じているわけだから・・・。いいんじゃない?

よく考えると、ここでそんなにリンダが結婚を拒む理由もないような気もするんだけどね・・・。

そうそう。パロの歴史とはいっても、いつかは終わるものなんだから・・・。

いっそゴーラとパロがこの際一つになって平和になればOK、って言うのはダメなのかな???

パロの人たちの意地というのがあるんだろうねえ・・・。

この、普通の「女」のリンダには、普通の女の幸せをまっとうさせてあげたいねえ。

何しろ、未だに処女のはずです・・・。
むごすぎます・・・。

いつまでたっても、国の格式だの礼儀作法だのにとらわれない、
イシュトは好きですね。

まあ、そういう破天荒なところが魅力なので。
これが変に常識人になってしまったら、目もあてられないです。

オオカミが飼い犬になっちゃいましたーってね。

それから、今回意外に思ってしまったのは、
イシュトはマリウスがナリスの弟だということを知らなかったのですねー。

そういえば、そこはパロの中でもトップシークレットなのですね。 マリウスがケイロニアとも関係しているということも含めて。

読者としてはもう、当たり前すぎるくらいに当たり前のことだったのに、このイシュトがそれを知らなかったとは・・・。

しかし、そこにまた、面白みがあるわけか・・・。

う~む、結局イシュトとリンダって、どうなるのでしょう?

「このあとどうなってゆくんだか、私にもさっぱり読めない」
と栗本さん自身言ってます・・・。

ひゃ~。
地道に2ヶ月先を待ちましょう・・・。
満足度★★★★☆

いよいよ、TVアニメも始まりました!
グインサーガ予告トレーラー