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永遠なる神の都 上―神聖都市ローマ 龍の黙示録 (8) (ノン・ノベル) (ノン・ノベル 862) 篠田 真由美 祥伝社 このアイテムの詳細を見る |
1999年から書きつがれてきた、龍の黙示録シリーズの完結編です。
キリスト教、ヴァンパイア、邪悪な魔物たち、ESP…、
かなり題材は特殊なので、好みはあるでしょう。
そして、このストーリーは、初めから読まないと多分意味不明と思います。
私も、このテーマが特に好きというわけではないのですが、
登場人物たちの魅力にひかれ、
ついズルズルと(?)、ここまで読みついで来ました。
この感じは、桜井京介の建築探偵シリーズと、一緒ですね。
この最終話はヴァチカンが舞台。
何しろ主人公、龍は、
ヴァチカンから存在を許されないヴァンパイアという身の上であり、
最終決戦として、舞台がそこになるのは必然であります。
しかし、単に舞台がそこであるというだけでなく、
聖職者の人並み以上の俗悪な名誉欲・色欲などが描かれているので、
そんなことまで書いて、大丈夫なの・・・?
と心配になってしまうくらいです。
ここでの龍はいつにもまして、ぶっきらぼうで取り付く島がなく、あえて露悪的。
あまりにも生身の人間っぽくない(確かに、人間ではないのですが)ので、
ついに作者は透子とのラブシーンを描けなかったように思えます。
最終決戦場面はさすがに迫力でしたね。
オールキャストで盛り上げがうまいっ!!
私のお気に入りは修道士セバスティアーノですが、
ここでは修道士から魔道師(?!)にバージョンアップ。
さえない小男という設定ではありますが、
彼のとぼけた感じと真摯な感じ、好きだなあ・・・。
そして、マサカ!という意外なラストの展開に、
またまた驚かされ、にんまりとさせられるのでした。
もし万が一事がうまくいって、生きていることができたら・・・
もう一度鎌倉の家に戻って、
明るいサンルームでみんなでお茶を飲みたい・・・
そのように、はかない約束をする彼らでしたが・・・
その夢はかなうのか。
読んで確かめてください。
これは初めから一気読みした方が、面白いかもしれません。
正直10年前だけでなく、この前作のストーリーですら記憶がおぼろげでした・・・。
トホホ。
満足度★★★★☆