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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

キャプテン

2007年08月21日 | 映画(か行)

なんと35年前、1972年月刊少年ジャンプに連載されたちばあきお氏の人気マンガの初の実写映画化。
テレビのアニメもよかったですよねえ。
私は2年に一度ほど、不用な本の売却処分をします。
お気に入りのものは残しておくのですが、この「キャプテン」も「プレイボール」も、ちゃんと生き残っています。
これで見逃す手はありませんよね。
野球の映画といえばこの間、「バッテリー」をみました。
バッテリーの原田巧君はたぐいまれな投手の素質の持ち主で、その、プライドも並ではない。
けれど、ここに出てくる谷口君は、まったくの普通の中学生、というか、むしろ、ひどく下手。
その彼が、野球の超名門校の野球部にいた、ということだけで、キャプテンをさせられる羽目になってしまい、逃げ出したい思いでいっぱい。
しかし、「いったん引き受けた以上は、きちんと責任を持ってやれ!」と父親に檄を飛ばされ、特訓を始めるのです。
その父親も、言いっぱなしではなくて、ちゃんと特訓に付き合うあたりは、なかなか・・・。
努力。努力。
そのがんばりで、谷口君は少しずつ実力をつけていきます。
墨谷二中、負け続きの弱小野球チームのメンバーたちも、谷口君に感化され、練習に熱が入る。
チームワークも生まれて、地区予選の決勝にこぎつけるまでになるという成長の物語。

みんなでやる野球。
中学生の野球としては、この方が気持ちがいいなあ。
常に、控えめでシャイな谷口君が、プレイでは堂々と自己主張。
そんなところがいいですよね。
出演の野球部メンバーはすべてオーディションで選んだそうです。
そこで見出された布施紀行君こそ、監督も一押しの谷口君のはまり役。
正直、この子は演技下手・・・と、私が見ても思いました。
でも、プレイがステキで、なるほど、それこそ普段は自意識過剰で不器用になっちゃう谷口君そのものかも・・・ということなんです。
コミックの谷口君よりはずっとハンサムですしね!!
スポーツのよいところは、35年前のストーリーでも、ぜんぜん古くならないということです。
ちょっと、コミックを物置から引っ張り出してみてみると、谷口家の食事は懐かしいちゃぶ台で、そんなところに、やはり時代の移り変わりは感じますが、野球の部分はほんとに古さを感じません。
丸井君、イガラシ君のキャラもいいのですよね~。
原作にはない、野球部の顧問ということで若い女性教師が出てきまして、彼女は野球なんてまったく興味がなかったのに、野球部の一生懸命さに感化され、次第に真剣になり、教師としても成長していくと、そんなサブストーリーも出てきます。
そういえば原作には顧問も監督もいませんよねえ・・・、そこまで、見捨てられたチームだったんだ・・・。

弱小チームが、裕福な強豪チームに挑戦し追い詰めていく、そんな爽快さがいいんだなあ・・・。
ちょっと、うだつのあがらない小市民としては、胸がすく感じ。

コミックのファンも、コミックを見たこともない方も、単純に楽しめます。

2007年/日本/99分
監督:室賀 厚
出演:布施紀行、小林麻央、岩田さゆり、筧利夫、宮崎美子

「キャプテン」公式サイト