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映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「銀の匙 13」荒川弘

2015年06月30日 | コミックス
卒業まじか。見よ、この成長ぶり

銀の匙 Silver Spoon 13 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘
小学館


* * * * * * * * * *

エゾノー3年となった八軒たち。
まずは乗馬クラブの様子です。
馬術の地方大会。
まさかの展開を見せて、なんと全国大会まで行っちゃうのですねー。
これはすごい。
ただし、本作は馬術のど根性物語ではないので、
八軒ももちろん出場はしますが、どちらかと言うと足の引っ張り役。
でもそこがいいですね。
なんでもできる奴だったら、つまらない。
でも、皆で緊張し、頑張って、支えあう。
高校生らしいチームワークが清々しいです。


それにしても八軒の父の写真が
彼らの護符というかお守り代わりになっているというのがすごい。
その父も、以前に比べたらずいぶん雰囲気が柔らかくなったような・・・。
息子を少しずつ認め始めている。
・・・よかったね、八軒くん。


ここでも出てきた、ピザの試食会は、
エゾノーで作ったベーコンとじゃがいもを使ったジャーマンピザ。
ひゃ~、美味しそう。
しかもじゃがいもは3種類の食べ比べ。
まあどれだって美味しくないわけがないです。
北海道のホクホクじゃがいも・・・。


さて、前巻で、意を決して北海道を離れた駒場くんは、
なんと東京に出て肉体労働で稼いでいました。
何かを目標にしてお金をためていたようなのですが、
本巻ではまだその目的は明らかにされません。
うーん、楽しみですね。
本当ならまだ高校生とは思えないこの自立心。
大人だなあ・・・。
というわけで、次第に卒業に近づいてくる
・・・なんだか今から寂しくなってきてしまいます。
卒業でこのストーリーも終わりとなりそうな感じですしね。

「銀の匙 13」荒川弘 少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆

「信長協奏曲 12」 石井あゆみ 

2015年04月22日 | コミックス
信長を置き去りに、勝手に動き出す登場人物たち

信長協奏曲 12 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


* * * * * * * * * *

この、11巻と12巻の合間にテレビドラマがありました。
小栗旬さんと柴咲コウさんの繰り広げる協奏曲は
それなりに面白くはありましたが、
ここまで原作と変えてしまってよいのか・・・と、
原作ファンとしては戸惑いもありました・・・。
まあ、ほとんど別物と考えたほうがいいのかも。


さて、ということでこの12巻、元に戻って地味~な歴史物語となります。
手取川の戦い
・・・かなりの歴史オタクでなければよくわからないと思うのですが、
秀吉が柴田勝家と決裂して、勝手に上杉との闘いから戦線離脱して帰ってきてしまったという、
ああ、それなら聞いたことがある、というあの場面です。
このあたり、秀吉のかなり特異な本作上の設定が生きる場面ですね。
なぜそんなことが起こってしまったのかという。
そして、またもや謀反を起こす松永久秀。
サブロー信長は同時代の人物として彼となんとかうまく付き合って行きたいと思うのに、
松永はもともとがヤクザなので、一筋縄ではいかない。
この辺りも、元々の設定が生きる所。
次第に著者の張り巡らせた人物関係の構想が物をいい始めます。
現代人信長サブローの意図を置き去りに、
それぞれの人物たちが勝手に動き出した感のあるこの辺り、
「歴史物語」として、また興味が深まってきます。


冒頭にある「小休止」の章では、
おいっちゃんがまたまた強烈なブラコンぶりをみせますが、
その彼女を見つめる家康くんの眼差しが優しい。
茶々、初、江の無邪気で可愛らしい三姉妹には
やはりどうしても思い入れがあって、つい注目してしまいます。


相変わらずおゆきちゃんの気持ちには、全く気がつかないサブローは、
罪作りなことであります。
しかし、彼女が選んだ道。
応援したくなりますね。

「信長協奏曲 12」 石井あゆみ ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆

「ダンジョン飯 1」 九井諒子

2015年02月22日 | コミックス
ホントにお腹こわさない?

ダンジョン飯 1巻
九井 諒子
KADOKAWA / エンターブレイン


* * * * * * * * * *

九井諒子、初の長編連載。待望の電子化! 
ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、
金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。
再びダンジョンに挑もうにも、
このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。
そこでライオスは決意する
「そうだ、モンスターを食べよう!」
スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!! 
襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、
ダンジョンの踏破を目指せ! 冒険者よ!!


* * * * * * * * * *

「ひきだしにテラリウム」で知った九井諒子さんですが、
今度の新作がすごい!
RPGゲームなどでお馴染みのダンジョンを冒険するといえば、
ごくふつうの物語ですが、
なんとそのダンジョンに出現するモンスターを食べてしまおうというもの。
確かに、奥深いダンジョンを旅するためには、
それなりの装備と食料が必要ですが、
そのためには資金も必要。
現実的ですねえ・・・。
水や食料が不足して立ち往生するRPGゲームのパーティなんて
聞いたことがないけれど・・・・。
しかし、出会ったモンスターを食料にするとなれば
非常に合理的です。
本当に食べられるのかとか、美味しいのかは別として・・・。


本作の冒険メンバーは勇者のライオス、
魔法使いのマルシルと鍵師のチルチャック。
実はライオスの妹がダンジョン奥深くでドラゴンに食べられてしまったので、
なんとしても救出に向かわなければならないのです。
(死者は、ちゃんと体さえあれば蘇らせることができる・・・という、
まあ、お約束があるので。)
そこにモンスター料理の達人センシが加わり、
いかにもまずそうなモンスターを、高級食材に変えていく・・・と。
マルシルは女の子なので、モンスターなんか絶対に食べられない、
と、がんばるのですが、
空腹には勝てず、恐る恐る食してみれば、これが意外とイケる。
この料理の仕方が実にリアルに描かれていまして、
妙に食べてみたくなってしまいます。


例えば「スライム」の料理法。

「このままではとても食えないが、柑橘類の果汁を加えた熱湯でよく洗い、
水分をよく拭きとるかあるいは塩をもみ込み、
じっくり天日干しすれば高級食材の完成だ。」

ははあ・・・クラゲとか、ナマコとか、そんなイメージでしょうか。
食べ物ばかりでなく、さすがに九井諒子さん、
魔物についても素晴らしくイマジネーション豊かです。
例えば「動く鎧」というモンスターが登場します。
あの西洋の甲冑が、中がカラなのに動きまわり襲い掛かってくる。
これは何かの魔法で動いているのだ、と彼らは思っていたわけです。
そして当然、ヨロイはいくらなんでも食べられるわけはない、と。
しかーし! 
なんとこれは貝のようなカラを持った生物の集合体であった・・・というのですよ。
だからカラから外すのが大変なのだけれど、
食すれば、これもまたヨシ・・・。
なんてユニークなんでしょ。
こんなこと今まで誰も考えつきませんでしたね。
続きも楽しみです。

「ダンジョン飯 1」九井諒子 KADOKAWA ビームコミックス
満足度★★★★☆

「ペコロスの母に会いに行く」 岡野雄一

2015年01月15日 | コミックス
心は自由に漂う

ペコロスの母に会いに行く
岡野 雄一
西日本新聞社


* * * * * * * * * *

母は、人生の重荷を下したかのように、ゆっくりとゆっくりとボケていきました─

62歳、無名の"ハゲちゃびん"漫画家が
施設に暮らす認知症の母との
「可笑しく」も「切ない」日々を綴った
感動のコミックエッセイ!
40歳で故郷長崎にUターンした漫画家(62歳)が、
親の老いを見つめてきた日々の、笑えて、温かくて、どこか切ない家族の物語。
主人公は、認知症と診断され施設に暮らす現在89歳の母。
母が見せる「人生の重荷を下ろしたとびっきりの笑顔」や、
著者のはげた頭を見て名前を思い出すエピソード、
時折つぶやく亡き父との思い出話などを描いたコミックエッセイです。
「忘れること、ボケることは、悪いことばかりじゃないんだ。
母を見ていてそう思った」


* * * * * * * * * *

先日、映画を見て、
やはり原作本の方も見てみたくなってしまいました。
本作はなんといってもこの岡野雄一さんのほんわかした絵が魅力です。
認知症といえば、
こまったこと、あまり表には出したくないこと、悲惨なこと、
そういうマイナーなイメージばかりが先行しますが、
映画にも出てきたこの言葉、
「忘れること、ボケることは、悪いことばかりじゃないんだ。」
そういうことを実感させてくれます。


お母さんは施設にいながら、時を自由に行き来します。
10人姉弟の長女として、子守と野良仕事に明け暮れた若いころ。
酒乱だった夫に耐えた子育て期。
すでに亡くなった人とも自在に交流し、心は自由に漂っている・・・。
ピンピンコロリが理想だと、私も思っていたのですが、
もしかしたらこういうのもありかもしれない。
自身の心はまさに自由・・・。
だってね、まあ人によるかもしれないけれど、
あちこち気を使うばっかりの人生って、なんだか疲れる。
ボケまくってまわりじゅうに迷惑をかけながら、
人生の最後ぐらい自分勝手に生きてみるのもいいかもね・・・。
とは言え、夜中に針も糸も持っていないのに、
縫い物のしぐさをしているお母さんの姿には泣かされます。
こんな時にまで、家族のために何かするということが染み付いてしまっているわけで・・・
私ならどんなにボケても、そういうことはなさそうだ。


基本的には4コマ漫画です。
少しずつ語られるエピソードをつなげて一つの映画を作る、
その映画の脚本にも今さらながらスゴイなあ思いました。

「ペコロスの母に会いに行く」岡野雄一 西日本新聞社
満足度★★★★☆

「ワタシの川原泉 Ⅲ」

2015年01月03日 | コミックス
絶妙な力の抜け加減

川原泉傑作集 ワタシの川原泉III (花とゆめCOMICSスペシャル)
川原泉
白泉社


* * * * * * * * * *

読者投票により収録作を決定した前代未聞の傑作集
「ワタシの川原泉」第3弾が登場!
異色のフィギュアスケート長編「銀のロマンティック…わはは」に3つの短編を加え、
著者インタビュー他スペシャル企画を添えて、
読みやすいB6サイズでお届けします。
松たか子さんも激賞!


* * * * * * * * * *

先にⅠとⅡが出ていまして、
この度めでたく続きが出ました。
まもなくⅣも出る予定。
これってつまり、傑作選というよりは「全集」になってきましたね。
いずれにしても私はすべて読んでいますが、
これがまた、あらためて見てもやっぱりいいのだなあ・・・。


本巻に収められているのは、
「銀のロマンティック・・・わはは」、
「大地の貴族―9月はなごんでる」、
「カレーの王子さま」、
「Intolerance・・・あるいは暮林教授の逆説」。


何と言っても泣かされるのは
「銀のロマンティック・・・わはは」
ペアフィギュアスケートの頂点を目指す男女のストーリー。
有望視されながら、怪我でスピードスケートの道を断念した影浦忍と、
著名なバレエ・ダンサーであり演出家でもある父親を持つ由良更紗。
この二人、元気で力があってスピーディ。
技術も確かなんだけれど、
やたら無機質で情感というものが全くない。
会えばガミガミ喧嘩してるし、
愛だの恋だのなんか双方全く縁がなさそう・・・。
この二人が互いを思いやり、気持ちをひとつにしていくためには
やはり一つの試練がありまして・・・。
まあ、例によっておとぼけ顔の主人公たちが、
いつしか本気でひたむきにスケート打ち込んでいく姿に、
つい涙させられるのでありました。
全く、川原泉マジック。
なぜこの絵で泣かされる!?
この題名についている「わはは」というのが実にいいですよね。
著者は槇村さとるさんの「愛のアランフェス」や
おおやちきさんの「雪割草」に触発されて
フィギュアスケートの作品を書いてみようと思ったそうです
(どちらも私も愛読しました)。
でも、そもそも著者はそういう根っからの情熱的な作風の方ではありません。
つい自分でも照れてしまって「わはは」と付け足したのだろうな、
というあたりが容易に読み取れるのが楽しい。
こういう力の抜け加減が、私が川原泉さんを好きな第一の理由なのです。
それにしてもこの二人、
それぞれシングルでもかなりのセンを行きそうなのに、もったいないことです。


「大地の貴族」は、「カモメまゆ毛の嫌味なヤツ」がしっかり記憶に残っていました。

「カレーの王子さま」も、もちろん大好き。

暮林教授は川原作品には珍しくシリアス。
うーん、でもやはりおとぼけキャラのほうが好きかな?


「ワタシの川原泉 Ⅲ」花とゆめCOMICSスペシャル
満足度★★★★★

「信長協奏曲 11」 石井あゆみ 

2014年09月24日 | コミックス
おゆきちゃん編

信長協奏曲 11 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


* * * * * * * * * *

いよいよ、10月からテレビドラマ開始ということで、
気分は盛り上がります。
信長協奏曲最新刊。


上杉謙信からの間諜として信長側に潜入しているおゆきですが、
次第にサブロー信長に惹かれていきます。
隔てなく親しげに話しかけてくる信長に戸惑う彼女ですが、
明智光秀と彼が瓜二つであり、
しかもどうやらホンモノの信長は光秀の方だと知るに及んで、混乱を隠せません。
本巻は、そんなふうに心千々に乱れるおゆきが中心になって描かれます。
おゆきの姉や幼なじみのとき丸とのエピソードもいい味出ています。
髪をバッサリ切ったおゆきを見て信長は
「久しぶりに髪短い女の子見たら、なんかなつかしいわー。
現代風で逆に新鮮・・・」
なんて言ってる。
ホントにのんきですね、この人は・・・。


さて、まもなく始まるTVドラマの情報も色々と入ってきましたが、
原作とはかなり変えているところがあるようです。
そもそも原作自体がまだ半ばなので、ストーリー運びには工夫がいるのでしょう。
原作はサブローがタイムスリップしてきたことと
ホンモノの信長と入れ替わったということ以外は
割と地味~な歴史語りなんですよね、考えてみると。
ドラマでは少し物足りなくなりそうなためか、
夫が入れ替わっても気づかないチョッピリ天然な妻・帰蝶と
サブロー信長の心模様をメインとしているようです。


健闘していたキムタクHEROのアトガマ・・・ということで大変でしょうけれど、
応援したいと思います。

豪華出演陣は・・・

小栗旬、柴咲コウ、山田孝之、向井理、藤木直人、夏帆、濱田岳・・・

徳川家康に濱田岳さんって、どうなの?
と普通思うかもしれませんが、
本作のイメージだとなるほど、と思います。
竹中半兵衛は出てくるけど、黒田官兵衛は出てこない。
う~ん、残念。

こんなのもあります


信長協奏曲 11 ドラマCD付き特別版 ([特装版コミック])
石井 あゆみ
小学館



「信長協奏曲 11」石井あゆみ 少年サンデーゲッサンコミックス
満足度★★★☆☆
だって、サブロー側のストーリーはあんまり進展しなかったのだもの・・・(^_^;)

「銀の匙 12」 荒川弘

2014年09月07日 | コミックス
頑張れ、副社長!!

銀の匙 Silver Spoon 12 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘
小学館


* * * * * * * * * *

いよいよ、将来への方向性を見出し、エゾノー2年となった八軒。
目指せ、起業家!
しかし、投資をあてにした企画書はそう簡単には通らない。
・・・何しろあの怖~い人が相手ですから・・・
ビビリます。
何しろまだ高校2年。
でも八軒は卒業してからなんて思わないのです。
思いついたらできることからやればいい。
そういう自由で思い切りの良い発想は、
この一年間で身につけたのでしょう。
そして八軒は、なんと就職浪人の大川先輩を社長に据え、
自身は副社長となる。


大川先輩は、たまにいいことを言うんですよね。

「他人様の金をアテにしないで会社を起こす!!
まずは自分の責任の範囲で豚を売る。
波に乗ったら名刺と肉と業績記録持って
おやっさんに売り込みに行け!! 
んで出資ぶんどってこい!! 
親子とかでなく仕事してる一社会人として
堂々とやりあってくるんだよ!!」


カッコイイ!!。
ホントにどうしてこれで就職できなかったのか謎ですが、
まあ、八軒と組んでこの仕事をするために就職しなかったわけですね、はい。


将来へ向けて、それぞれの道を歩み始めているエゾノーのみんなに刺激され、
駒場くんも思うところがあるようです。
彼は飛行機に乗って、一体何処へ行くのでしょう?? 
う~ん、気になります。


八軒の2年目はさくさくと進みます。
馬術部に可愛らしい後輩もできて、
何も知らなかった自分の一年前を思い出す。
本当に、この1年で八軒もすっかり逞しくなりました。
本格的に農業のあり方へ踏み込んでいくこの辺りからは、
多分もうエンタテイメント的映画には不向きになるでしょう。
でも本ではまだまだ楽しめそうです。


広い牧場で自由に育った放牧豚・・・。
私も出資したいくらいです・・・。
いわば北海道の農業をプロデュース。
若い発想と人脈を駆使して、頑張れ八軒!!

「銀の匙 12」荒川弘 少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆


「海街diary6  四月になれば彼女は」吉田秋生

2014年07月16日 | コミックス
「人の生き死に」と「お金」の話は切っても切れない

海街diary(うみまちダイアリー)6 四月になれば彼女は (フラワーコミックス)
吉田 秋生
小学館


* * * * * * * * * *

待望の新刊がでました。
最近本作の実写映画化が発表になったところで、盛り上がります!
公開は2015年初夏ということで1年ほども先なのですが、
監督は私も大好きな是枝裕和氏ということで、今からもう楽しみです。

キャストは・・
香田幸:綾瀬はるか
香田佳乃:長澤まさみ
香田千佳:夏帆
浅野すず:広瀬すず
ということで・・・
サチねえに綾瀬はるかさんというのはどうもイメージが違う気もしますが・・・。
まあ、お手並み拝見。


さて、映画の話はそれくらいにして、本巻。
冒頭は、すずのお母さんの実家、金沢でのお話。
今は亡きすずのお母さんは、金沢の老舗の呉服屋の娘でしたが、
昔気質で頑固な母(すずのお祖母さん)は
妻子ある男との不倫をした娘を許さず、絶縁状態だったのです。
このたびそのお祖母さんが亡くなったので、
すずは叔父・叔母に招かれ、姉たちとともに金沢を訪れます。


「人の生き死に」と「お金」の話は切っても切れないものらしい。
あまりにも現実的な話ですが、そういう問題が絡んできます。
このテーマは本作の別の側面にも出てきていて、
私達の生活と実はとても密着した話なのですね。
家族の死を悲しむよりまず欲得に走ってしまう人の心が悲しいですが、
これもまた現実。


後半は、すずの将来の話になっていきます。
女子サッカーのチーム新設を予定している高校から、すずに特待生の話が来るのです。
色々な思いがあって、悩めるすず。
彼女の決断を尊重しようと、そっと彼女を見守る姉たち、
そして風太をはじめとする友人たち。
生きていく限りは人は一処にとどまっていることはできません。
そこがどんなに居心地のいいところでも。
・・・となれば4月になれば彼女はやはり
この街を出て行くことになるのでしょうか・・・?
本巻ではまだその答えは出ていないのですが、
その結論が出たあたりでこのストーリーは幕が下りてしまいそうで、
今からチョッピリ寂しい思いがしてしまいます。


本巻初登場、すずの従兄弟にあたる直人がいいですね。
チョッピリチャラ男系。
超方向音痴。
けど彼のチャラ男系には理由がある。
そういう造形がとてもいい。
そして、これまでベールに包まれていた千佳の想い人、スポーツ店店長の過去が、
次の巻くらいには明るみに出るのかな・・・?


というあたりで、「つづく」です。
この本は次の巻が出るまでが長いのだなあ・・・。
ひたすら待ちます。
映画はどのあたりまでの話になるのかな?


「海街diary6  四月になれば彼女は」吉田秋生 小学館フラワーコミックス
満足度★★★★★

「信長協奏曲 10」 石井あゆみ 

2014年05月25日 | コミックス
祝 アニメ化&TVドラマ化&映画化!!!

信長協奏曲 10 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


* * * * * * * * * *

本巻の帯を見て驚いてしまいました。
フジテレビ開局55周年プロジェクトとして、
本作がTVアニメ、TVドラマ、そして実写映画となる同時企画。
なんとも喜ばしいことです。
・・・が、こんな面白いものは、密かに独り占めしていたかった
・・・などという身勝手な思いも、チョッピリ抱いております。
実写版のサブロー役は、小栗旬さんということです。
・・・ははあ、なるほど。
なんとなくイメージはあってますね。


そんなわけで、ますます期待の高まる、本作。
10巻目。
織田家に信長の妹、おイッチャンとその3人の娘たちが戻ってきたところです。
相変わらず、おイッチャンは誰よりもサブロー信長が大好き。
ブラコンすぎるところが難点だなあ・・・と、
悩めるサブロー。


一方、森蘭丸くんが、ミッチーこと明智光秀(=本物の織田信長)の素顔を見てしまいます。
サブロー信長とウリ2つの顔を・・・。
そうして、今に光秀が信長を殺して、入れ替わってしまうのではないかと、
密かに恐れ始めます。


このおイッチャンと蘭丸くんのことが、
今後のストーリーに微妙に影を落としていくのではないか・・・と思うのですが、
まあ、注目していきましょう。
そんなこんなのうちに、対武田勝頼、「長篠の闘い」へ突入していきます。
なんだかこの辺りになると、さすがのサブローも貫禄が出てきますね。
相変わらず歴史オンチで、
「でえと」とか、「リフティング」などと言って、
周りの者達を戸惑わせたりもしますが、
しっかりとしたリーダーシップで、人望も熱い。
感情の起伏が激しくて癇癪持ちで、決して部下にはつきたくない・・・というような
一般的信長の印象とはちょっと違います。
本作には黒田官兵衛は出てこないのかなあ・・・? 
ちょっとでいいから、出てきて欲しいですが、時期的にはもっと後ですね。


さてさて、テレビドラマついでながら、
2年後のNHKの大河ドラマが真田幸村に決まったそうで、これがまたウレシイ!
・・・大ファンなもので。
ドラマ誘致活動を続けていた上田市の皆様も
さぞかしお喜びのことと思います。
しかも脚本が三谷幸喜。
う~ん、来年をすっ飛ばして、早く「真田丸」が見たーい!!

「信長協奏曲 10」石井あゆみ ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆

「ワタシの川原泉Ⅱ」 川原泉

2014年04月03日 | コミックス
元祖“テッド”は、数段格上

川原泉傑作集 ワタシの川原泉II (花とゆめCOMICSスペシャル)
川原泉
白泉社


* * * * * * * * * *

シリーズの2巻目です。
冒頭は「オペラ座の怪人」。
本作は「笑う大天使」シリーズの続きとして描かれたものですが、
独立しても十分読み応えがありました。
柚子さんが福引でイングランドの旅の旅券を手に入れ、
それならばということでロレンス先生の実家に泊めてもらうことにします。
なんとそれは片田舎ではあるけれど、立派な貴族のお屋敷・・・。
柚子さんはそこで、
ロレンス先生の親友で新進気鋭のオペラ歌手ラインハルト(通称おハルさん)に出会います。
一人の大人としてはやや心もとないおハルさん。
しかしそこへ、動くくまのぬいぐるみ登場!!
本作も読んだことがあるのに忘れてましたねえ。
"テッド"の映画を見た時に、なぜこれを思い出さなかったのか。
おハルさんが子供の頃から常に一緒に居たテディ・ベア。
それはもう控えめで上品で優しく、
映画のテッドとは似ても似つかぬ、
というより数段品格が上。
なーんだ、こんなところに"テッド"以上の存在が以前からあったんだ・・・。
このとぼけた顔のクマさんがまた、
ラストで私達を思い切り泣かせるのです・・・。
はあ、切ない。


「ヴァンデミエール 葡萄月の反動」では
大の27歳の男が突如大人になってからの記憶を喪失し、
小学生の心に戻ってしまうというオハナシ。
蕗子さんは夏休みのバイトで、この27才の小学生覚(さとる)くんのお世話をすることに。
近所の本物の小学生も交えて、
虫取りやメンコ、三角ベース、ビー玉。
楽しい夏休みを過ごしていたのですが・・・。
覚がなぜ小学生に戻ってしまったのかという事情も切ないし、
蕗子さんが、せっせとバイトしてお金を稼がなければならない事情というのも
また切ないのです。
そういえばこの二人もまた「欠損」を抱えているのでした。
バイト先の人員整理でクビにされてしまった蕗子さん。

「先の事考えるとムネがつぶれそーだ。
ああどーしよう。
ううっ。
私が3人いて一日が30時間だったらもっと働けるのに。
一生懸命やればなんとかなると思ったんだけどな・・・
精一杯頑張ったんだけどな・・・
だけど今日のよーな日はちょっとくたびれる。
・・・5分。
5分だけ休憩しよう」

と、街角の階段に腰掛ける蕗子さん。
まだ高校生ですよ・・・。
こちらの胸のほうがよほどつぶれそーです。

兎にも角にも、川原ワールドに思い切り浸れる2冊。
オススメです。


「ワタシの川原泉Ⅱ」川原泉 白泉社
満足度★★★★★

「ワタシの川原泉Ⅰ」 川原泉

2014年03月30日 | コミックス
こんな絵柄でなぜ泣ける???

川原泉傑作集 ワタシの川原泉I (花とゆめCOMICSスペシャル)
川原泉
白泉社


* * * * * * * * * *
 
昨2013年、川原泉さんデビュー30周年ということでまとめられた傑作集です。
いやしかし、実は私、全作読んでいて、本もちゃんとあるはずなのですが、
それでもやはり買ってしまいました。
とにかく、カーラ教授こと川原泉さんが大好きなもので・・・。


冒頭を飾るのは、読者投票1位の「美貌の果実―10月はゆがんでいる」。
いや~、わかります。
ワタシもこれが一番好きかもしれない。
以前「約束の葡萄畑」という映画のブログで本作に触れたことがあります。
興味のある方はこちらをどうぞ。
→「約束の葡萄畑」


結局その時も「こんな映画よりカーラ教授の漫画のほうがずっといいよ」
と、いいたかったわけ。
葡萄の精が、ワイン造りに奮闘する母子を助けるという話。
登場人物は皆どこかぼんやりお気楽。
絵柄もその通り。
しかし、この絵でなぜこんなに泣けるのかと不思議に思えるくらいに、
見るたびに泣かされます。


今回カーラ教授をたっぷり読んで気がついたのは、
彼女の描く主人公の家庭には「欠損」が多いということ。
この「美貌の果実」では父親と兄が事故で亡くなっていますし、
「森には真理が落ちている」で亀になってしまう雪村さんには両親が居ない。
「空の食欲魔人」の弘文くんも両親をなくしているし、
「フロイト1/2」の梨生ちゃんも母親をなくして、目下叔父さん夫妻と同居。
しかし、彼、彼女らは普段はそういう翳りをみせません。
のんびりのほほんと目立たない。
だけれど、どうしようもなく健気で一生懸命で実直
それは、彼女らの持つ「さみしさ」の裏返しなのだとわかってきます。
・・・だから頑張らなければ。
・・・だからちゃんとしなければ。
そういうところが、どうしようもなく私達の胸を揺さぶるのですねえ・・・。



「フロイト1/2」も、すごい作品ですよ。
夢を共有する男女の話。
"夢"と言っても将来を見据えたあり方ではなくて、
寝ている時に見る本当の「夢」の方です。
小学生と大学生だった二人は10年を経て再開。
お金のことしか考えられなくなってしまったゲーム会社社長の彼と、
そこでバイトをすることになった彼女。
RPGゲームの話を交え、心理学者のフロイトまで登場する、
深淵なのだかお茶の間向きなのだかよくわからない不思議な味わいのある一作。
そしてこれがまた何故か切なくて泣けるという。


カーラ教授をご存じない方にも、以前からのファンにも
おあつらえ向きの珠玉の一冊。
「Ⅱ」に続きます。


「ワタシの川原泉Ⅰ」川原泉 白泉社
満足度★★★★☆

「銀の匙11」 荒川弘

2014年03月14日 | コミックス
本気には本気で返す

銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘
小学館


* * * * * * * * * *

ちょうど、本作の実写による映画化作品が公開されたところで、新刊発売。


時は2月。
北海道はまだまだ冬のさなかです。
バレンタインデーでチョコを期待したり、渡すのに逡巡したり。
今どき珍しいくらいに純情でウブな
八軒と御影のやり取りにほのぼのしてしまいます。


エゾノーは1年が全寮制で、その後は寮を出てもいいのですね。
八軒も寮を出る決心をします。
そもそも本作1巻からこの11巻まででようやく1年。
ものすごく中身の濃い1年でした。
八軒が作った人の輪は確かに彼の財産で、
そういうことが彼の今後に結びついていきそうなのが、楽しみです。
おぼろげながら目標の見えた八軒は、
ついにお父さんに自分の考えを告げますね。
うわあ・・・、なんだかこちらまで緊張してしまう。
しかし、玉砕ですよ・・・!!
私は、このお父さんは単に威厳を振り回すだけで、
息子の気持ちなんか何も考えていないダメな父親かと思っていました。
・・・でも、そうではなかったのでしょうか?

「本気には本気で返す、それだけのことだ」
と言い切る父。
こ、怖い・・・。
八軒をかばって思わず横から口を出した御影さんも
「目をそらしたら殺される・・・」とびびる。
この父を乗り越えるのは並大抵のことではなさそうですよ、八軒くん。
・・・が、頑張れ!!


一年間暮らした寮は、
団体生活でいろいろな制限があって煩わしくもあったけど、
いろいろな友人たちとの絆ができた。
その寮を去る時の開放感と寂しさ。
私達も八軒の思いに共感しました。
寮生活は様々な個性の寄せ集め。
まさに闇鍋のようですね。
こんなにごちゃごちゃ詰め込んだらまずいに違いないと思うのに、
何故か妙に美味しかったりする。


1年でぐんと成長した八軒の今後がますます楽しみです。


「銀の匙11」 荒川弘  少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆

「銀の匙 10」荒川弘

2014年01月17日 | コミックス
ごちそうがイッパイ!!

銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘
小学館


* * * * * * * * * *


ストーリーでは、ちょうどお正月。
実家に帰るのが嫌で寮で年越しをする八軒ですが、
思いの外賑やかで・・・。
手打ちの蕎麦やら、つきたてのおモチが・・・。


そして新学期。
八軒が育てた豚がまた肉となって戻ってきます。
今度はベーコンとソーセージを作って販売までしようと、
皆で作業をしたり値段を考えたり。
農業といえば作物や家畜を育てることばかりがイメージとして浮かびますが、
経営的ノウハウも、と言うよりそれこそが、
生活を成り立たせる上で重要ということですね。
こういう視点が描かれているところが、本作のいいところです。
ここに出てくるソーセージ、そしてホットドッグ。
うわ~、美味しそう! 
溶けたチーズをかけたポテト!!
ひゃ~、よだれがわいてくる!!


そしてまた、学校をやめた駒場をしきりに気にかける八軒。
バイトの掛け持ちで忙しい駒場は、
以前の友人たちと顔を合わせるのも気まずく避けている様子ですが、
全然気にせず、未だ自分に何かできないかと気にしている八軒。
こういうおせっかいなところが周りの皆にも伝染しているようです。


まだ高校一年の彼、彼女らですが、
しっかりと自分の将来を見つめて考えているのがまぶしく感じられます。
いろいろすごく器用なのに未だに就職が決まらない大川先輩の先行きも気になります!!


ところで私、全然想像できないのですが、
八軒の実家で、ロシア人の嫁を迎えた父親の反応はどうなのでしょう??? 
どんな顔して彼女に対応してるのか、是非見たい!!

「銀の匙 10」荒川弘 小学館少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆

「銀の匙 9」 荒川弘

2013年10月29日 | コミックス
自信が強さにつながる

銀の匙 Silver Spoon 9 (少年サンデーコミックス)
荒川 弘
小学館


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2014年春、いよいよ実写版映画公開となる本作、
乗りに乗っています。
(ただし、私はコミックで十分なので、見ないと思う・・・)
さて本巻、八軒がやむない事情でついに札幌の実家へ帰ります。
そういえば、八軒はこの高校進学以来、一度も実家に帰っていなかったのですね。
時は初雪の舞い始める10月末か11月初めというところです。


ちょっとした物を取りに来ただけで、
できれば両親にも合わず、すぐ帰ってくるつもりだったのですが、
ちゃんと両親が居て、"ご対面"してしまいました。
そして八軒の意に反して、ともに昼食までとるはめになってしまいました。
相変わらず威圧的な父は、
せっかく八軒が珍しく自分の心境を語っているというのに

「勉強で脱落した人間が、人に勉強を教えるというのか?」

と、心ない言葉を投げつける。
でも、八軒は一応きちんと反論。
エゾノーでの経験やそれによって身につけた自信が、
彼を強くしているようです。

いいぞ、八軒!!


ところで八軒の家はやはり「西区八軒」なのかと思ったら、
彼は新札幌中学出身というので、厚別区のようですね。
(どうでもいいですけど・・・)


その後、八軒のお母さんは、
八軒が学校でどんなことをしているのか何も知らなかったということに気付き、
学校の様子を見に来ます。
自分の息子の成長ぶりを母はそこで認めることになる。
私は八軒と父親の確執について、母親が鈍感すぎるのでは・・・?
と、ちょっと思うのですが、
わざとなんでしょうかねえ・・・。
あえて知らないふりを決め込んで、
どちらの味方になることも避けているのか・・・?
しかし、あのお父さんとどのように知り合って結婚したのか、そこが知りたい・・・。


兎にも角にも、冬が来てクリスマス・・・。
軒のお正月は、どんなかな・・・?

「銀の匙 9」 荒川弘 小学館少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆


「信長協奏曲 9」 石井あゆみ

2013年10月10日 | コミックス
その身に、織田と浅井の血が流れていることを誇りに思って生きよ!

信長協奏曲 9 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
石井 あゆみ
小学館


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激闘!三方ヶ原の戦い!さらに…!?

徳川家康、最大の危機である三方ヶ原の戦いの行方は!?
そして戦国の巨星・武田信玄の快進撃、織田家滅亡の危機は果たして!?
さらには浅井長政・お市夫婦の絆と運命を描ききった必読の第9巻!


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さて、本巻三方ヶ原の戦いといっても、
私のようなにわか歴史ファンではよくわかっていませんでしたが、
つまりは家康最大の危機、ということなんですね。
でも無論、その後の家康を知っていれば、ここで家康が命を落とすはずはありません。
辛くも武田軍から逃れた家康ですが、
その後武田軍の動きが、ピタリと止まる。
そのワケくらいは、私でも知っているのですが、
超々歴史オンチのサブロー信長は、わかっていません。
う~ん、もう、じれったいんだから。
でも本作、サブローが歴史を何も知らないからこそ成り立つストーリーなわけで、
仕方ないですね・・・。


又、本巻ではついに細川藤孝が将軍足利義昭を裏切り、
信長方に付きます。
私、近頃黒田官兵衛本を読んでいまして、
そうすると色々な登場人物が、このコミックの登場人物でイメージされるのです。
細川藤孝に、足利義昭ね・・・。
なるほど、イメージピッタリ。
戦国時代ものを読もうとするときに、
本作はすばらしい参考図書となり、助かります。
うーん、ただし、秀吉像はやっぱりここの秀吉が特殊過ぎましょうか。
もちろん信長と光秀も。
でも信長や秀吉、色々なイメージを楽しめるのが、
それぞれの著者によるストーリーの面白いところです。


そして、本巻のクライマックス、
小谷城での、浅井長政との攻防戦。
相変わらずこの長政さんは端正だなあ・・・。
信長の妹、お市の方が幼い娘3人を連れて織田側へ帰ってきます。
さすがにここは"おいっちゃん"らしい去り方でした。
ラスト前のページ、おいっちゃんが娘たちに語る言葉

「その身に、織田と浅井の血が流れていることを誇りに思って生きよ――」

うう・・・泣けます。
NHK大河ドラマファンならよく知っている、この3姉妹。
また、この先が楽しみです!!

「信長協奏曲」 石井あゆみ ゲッサン少年サンデーコミックス
満足度★★★★☆