現在、国立西洋美術館では「北斎とジャポニズム」が催されている。北斎の作品の
コピーと共にその影響を受けている印象派を中心とした絵画が並列されている点は
とてもわかりやすいと思うが、多少牽強付会的な感じの組み合わせがなくもない。
ところでフランス印象派の作品の中にロマン派のような作品がまじっており却って
目立っていた。ノルウェーの画家のエイリッフ・ペーテシェン(Eilif Peterssen)
(本展ではアイリフ・ペーテシェン)の『夏の夜(Summer Night)』(1886年)
が展示されていたのである。ペーテシェンはマネやモネなどの影響を受けてはいるのだが、
この作品に関しては構図は葛飾北斎の影響を受けてはいるがロマン主義の筆致であり、
だから会場内で目立っていたのである。