MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『タバコ・ロード』 80点

2012-07-29 22:33:40 | goo映画レビュー

タバコ・ロード

1941年/アメリカ

ネタバレ

車が語る‘品性’

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 1930年代のアメリカ南部の貧しい農民の姿が描かれたアースキン・コールドウェルの原作小説や、あるいはそれを原作としたジャック・カークランドの戯曲の、ジョン・フォード監督による映画化である本作の見所は車にあるだろう。
 作品の冒頭で主人公のジーター・レスターは大量の薪を運んで、街から車で戻ってくるのであるが、タイヤはパンクしており、売ってくるはずだった薪は全く売れず、同じ薪を4度も運んでいる有様である。彼の末息子のデュードはシスター・ベッシー・ライスと結婚して800ドルで新車を購入するのであるが、デュードは車の警笛にしか興味がなく、家に帰る途中で車の屋根を木にぶつけ、ジーターの車にぶつけて自宅の庭に入ってきたために、既に「斧で壊した」ような状態になってしまい、ホテルに泊まりたいという理由で予備のタイヤも売ってしまったことで、デュードの新車はジーターの車と同じ悲惨な運命を辿ることが仄めかされる。
 他方、オーガスタの銀行員であるペインの車はきれいで、元地主の息子であるキャプテン・ティム・ハーモンの車もきれいに使用されており、ジーターと妻のエイダがいよいよ行き詰まって救貧農場に向かっている途中で、ティムが車で通りかかり、2人を車に乗せた時、ティムがジーターに車の‘運転の仕方’を示すことで、ジーターはもう一度綿栽培をするチャンスを与えられるのである。


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心中物語の面白さ

2012-07-29 00:51:21 | Weblog

橋下市長「グッとくるものない」と辛口文楽批評(読売新聞) - goo ニュース

 橋下徹大阪市長は26日、4年ぶりに同市中央区の国立文楽劇場で、「曽根崎心中」を

鑑賞し、「演出など見せ方をもっと工夫して、文楽をよく知らない僕らでも面白いと思うものに

すべきでは」「新規のファンをどう獲得するか。振興に軸足を置くなら、色んな問題点もある。

今までは保護の面が強かった」などと述べ、「守るべき古典芸能だとはよく分かったが、ラスト

シーンでグッと来るものがなかった」などと批評までしてしまっている。しかし文楽などの

古典は変えないからこそ古典であり、変わらない古典から影響を受けて、「曽根崎心中」に

関してならば、最近では作家の角田光代が“書き直し”ているのである。確かに話そのものは

「曽根崎心中」は面白いものとは思えないが、そもそも浮気がバレた人が相愛の若い男女の

心中物語のラストシーンでグッと来るわけがないだろう。


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