ケンのブログ

日々の雑感や日記

八月十八日

2019年08月18日 | 日記
この時期になると
まだ残暑は厳しいけれど
もう夏も終わりだなという感慨が
胸にわいてくる。
子供の頃は夏休みになると
東京からいとこがやってきて
ちょうど今くらいの時期にまた
東京へ戻っていった。
いとこが東京へ戻ってしまうと
なんか夏休みももう残り少なく
夏休みの宿題の進捗が気になった。
村上春樹さんが昔エッセイで
甲子園で高校野球の応援団が
旗を片付けてそれぞれの地元に
帰っていき、スタンドに
赤とんぼの姿が目立つようになると
もいいいことはすべて終わってしまったような気がした。
というようなことを書いておられた。
それを読んで僕はそんな気持ちもとても
わかるような気がした。
阪神間出身の村上さんらしい表現だなと思った。
もう久しく野球も見に行ってないなと思う。
気づけば高校野球も岐阜県の代表がベストエイトに
残っている。
なんか岐阜県も昔は強かったらしいけれど
僕のものごごろがついてからは
そんなに強い県ではなくなってしまい
とりあえずまず一勝という応援の仕方を
するようになった。
ベストエイトまでいけば
その先のことはわからないけれど
まあ十分によかったなと思ってしまう。

朝ラジオを聞いていたら
スポンサーの会社の方が出演して
「これからは人工知能をいかに導入したかかが
会社経営の鍵を握ります。
まず単純作業はいまは東南アジアの方でも
なかなかやるひとがいない。
この分野は人工知能を導入すれば
迅速、正確で確実にコストカットが図れます」
というようなことを言っていた。
本当に大丈夫なのだろうかと思ってしまう。
僕は人工知能の導入という話を聞くと
しばしばチャップリンのモダンタイムスという
映画を思い出す。
あの映画のなかで
チャップリンは自動車生産ラインの
作業員になる。
そしてベルトコンベアーを流れてくる
自動車部品のボルトをスパナで締める仕事をする。
早い速度でコンベアーを流れてくる
ボルトを閉め続けているうちに
チャップリンはノイローゼになり
幻覚が現れるようになる。
そして、女性の衣服に大きめのボタンが
ついているとそれが締めるべきボルトに見えてしまう。
スカートの腰の部分に大きなボタンのある
女性を見かけたとき
チャップリンはその女性を
スパナをもったままどこまでも追いかけ回してしまい
警察に逮捕され病院送りとなる。
子供の頃はこのシーンをゲラゲラ笑いながら
見ていたけれど大人になると
笑えない。
人間がベルトコンベアーによる流れ作業の
なかに組み込まれて本来の人間らしさを失ってしまう。
そんなシーンだったと思う。
人間が人工知能を使いこなすのではなく
人間の性質が人工知能によって
疎外されるそんな時代にならないようにと
切に願いたい。