ケンのブログ

日々の雑感や日記

京都市交響楽団第627回定期演奏会

2018年09月24日 | 音楽
9月22日京都コンサートホールに京都市交響楽団
第627回定期演奏会を聴きに行った。
指揮 準 メルクル
管弦楽 京都市交響楽団
最初に演奏されたのは
ワーグナー歌劇タンホイザーから序曲と
ヴェヌスベルクの音楽

冒頭ホルンの和音が神々しく響く。
弦が甘く濃厚にそれに続く。
音楽がゆっくり壮大になる。
しかるべき落ち着きのある演奏。
やがてギアチェンジして音楽が速くなるけれど
演奏はしかるべき抑制を保っている。
しかし、深い音が出ている。
落ち着きのある演奏を聴いていて
オーケストラの編成がワーグナーにしては
小さいことに気づく。
指揮者の左にファーストバイオリンが5プルト並んでいて
ちょっと見た感じでブラームスを演奏するときの
普通のオーケストラの大きさに見える。
弦が豊穣な音を出している。
それが耳に心地よい。
タンホイザー序曲からヴェヌスベルクの音楽に移る
バージョンは初めて聴いたので
演奏の途中から音が不思議な動きをするように感じられる。
指揮者がきびきび動くわりには演奏は落ち着いていて
これが準 メルクルさんの特質のひとつかもと思う。
とても静かに演奏が終わった。
よい演奏だった。

次に演奏されたのが
グリークのペールギュント組曲第一番 作品46
第一曲 朝
フルートとオーボエがうまく絡んで鳴っている。
弦も美しく音楽が夢のように聴こえる。
装飾音の扱いが鋭くて特徴的だなと思う。
金管が鳴ると北欧の光だなと思う。

第二曲 オーセの死
弦の音のコクが深くて独特の感じ。
他の指揮者だったらもっと激情的になるであろうところも
落ち着いていてそれが好ましく思える。

第三曲 アニトラの躍り
不思議な雰囲気のワルツと思った。
プログラムを見たらワルツではなくマズルカと書いてあった。

第四曲 山の魔王の宮殿で
どこかで聴いたことの民謡風のメロディがちょっと
こっけいな感じで繰り返された。

よい演奏だったと思う。

20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
ブラームス 交響曲第4番ホ短調作品98

第一楽章
落ち着いた感じの演奏の開始。
情熱がこもりすぎないところが好ましく思える。
オーボエが美しい。
ティンパニーもマイルドな音を出している。
オーボエを中心に本当にブラームスのシンフォニーの木管は
美しいなと思う。

第二楽章
クラリネットが落ち着いたものごしでテーマを奏でる。
普段、CDでこの曲を聴くときはそんなこと思わないけれど
第一楽章はオーボエ中心の旋律
第二楽章はクラリネット中心の旋律になっているんだなと思う。
ホルンとトランペットの音が少しドライかなと思う。
弦が第二主題を奏でる。
しっとりとした感じで美しい。
再び第二主題が鳴るとロマンチックだなと思う。
慈愛に満ちた音楽という感じがする。

第三楽章
快活な音楽だけれど演奏を聴いていると
やはりここもほどよい落ち着きがあるなと思う。
楽章終盤に向けて音楽が盛り上がっていく様も
心地よく感じた。

第四楽章
指揮者が一見コミカルな動きに見えるけれど
案外細かくあちらこちらにサインを送っていることに気づく。
音楽が静かになったときの木管の響きは素晴らしいなと思う。
楽章終盤はやや加速して勢いを盛り上げていた。
演奏の随所に見られる残響の作り方もうまいと思った。
最後はかなり盛り上がって演奏が終わった。

いい演奏だったなと思う。

今日は中秋の名月かと思う。