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ケンのブログ

日々の雑感

室内楽のコンサートを聴きに行く

2025年06月09日 | 音楽

名古屋市の小さいホールに名古屋市に本拠を置くプロオケメンバーを中心とする室内楽を聴きに行く。

ホールは小さいながらも二階席もあってよかった。

かなりいいホールと思った。

最初にヨハン ミヒャイル ハイドンの ディベルティメントニ長調mh173が演奏される。

100曲を超える交響曲でなじみのハイドンにしては長い名前だなあと思ったら交響曲の父ハイドンの弟とプログラムに書いてあった。

ビオラ コントラバス ホルンと言う珍しい編成の三重奏。

プログラムの曲目紹介に「普段オーケストラで中低音域を担当する楽器によるやわらかく心地よい響き」と書いてあるけれど その通りの演奏だったなと思う。

通常だとバイオリンで奏でられるメロディラインがビオラで出てくるのだけれど本当に落ち着いた感じの響きだなと思う。

ハーモニーに関しては僕にはよくわからなかったけれどビオラとコントラバスのユニゾンが僕にはとてもきれいにそろっていて美しく聴こえた。

そろっているというのは 音が正確ということだけでなく音を出すテンションがそろっているような気がしてそれがとても心地よく感じられた。

コントラバスが高い音を出すとき奏者の方が楽器の胴体の部分の上4分の1くらいのところまで手を伸ばしておられて「あんな下の方まで手を伸ばすのか!」と思った。

オーケストラで演奏されているときにはなかなか気づかないことなので、ちょっとびっくりした。

また音階を上がったり下がったりするときの手の動きの幅、つまり、手の動きを歩行に例えれば歩幅がとても長くて やっぱり楽器が大きいと手の行ったり来たりも大きい動きになるんだなあといまさらながら当たり前のことを思っていた。

あとコントラバスを聴きながらどことなくバッハの無伴奏チェロ組曲で僕が持っているCDの中でフルニエさんの音を思い浮かべている時間が演奏中にあった。

次にフランソワ ルネ ゲバウアーの協奏的四重奏曲が演奏された。

ファゴット、バイオリン ビオラ、コントラバスのカルテット。

ファゴットってオーケストラの中で聴くと、僕の耳では中低音の弦楽器の音と混ざってしまって、楽器が大きい割には何をやっているのかよくわからないと思うことが多い。

しかしカルテットの編成だとファゴットの音がよく聴こえてよかった。

最後にベートーヴェンの七重奏曲変ホ長調op20が演奏される。

変ホ長調と言えば 交響曲第三番 英雄 そしてピアノ協奏曲第五番 皇帝 作品20と言えば 交響曲第一番が確か作品21だからその一つ手前の作品番号 プログラムの曲目を見てそれが最初に心に浮かんだ。

第一楽章の冒頭、バーンと言う音、もうほとんどピアノ協奏曲第五番の冒頭の生き写しだと思った。

ベートーヴェンってもちろん個々の作品もそれぞれすばらしいけれど 生涯全体で見ても、初期の作品で使ったモチーフをさらに洗練させてのちの作品に使うなど もう生涯そのものが系統だった一つのすばらしい作品なんだなと思った。

この日演奏された3曲はいずれも ベートーヴェンの同時代を生きた人の作品だ。

他の二人の作品は聴いていて どことなくバロック 古典 という感じが漂うように思えたけれど ベートーヴェンは作品20のころからもうすでにベートーヴェンという範疇なんだなと演奏を聴いていて思った。


それで家に帰ってきてもう一度落ち着いてプログラムを見ると作品20の第一楽章がアダージョからアレグロコンブリオとなっている。

アレグロコンブリオと言えばベートーヴェン。

それがもうこの作品ではっきり出ているんだなと思った。

第三楽章でベートーヴェンのピアノソナタ第20番と同じ旋律が出てきたときはびっくりしたけれど嬉しかった。

もうこんなところでベートーヴェンはこの旋律を使っていたのかと。

七重奏曲の編成で聴くとピアノ単独よりも華やいで聴こえるなと思った。

ベートーヴェン特有の同じ音型が楽器から楽器へと移行していくさまも席がそういうのをとても見やすい場所だったのでいろいろと堪能出来てよかった。

最終楽章はアンダンテコンモートからアラマルティアとなっている。

この最初のアンダンテがマイナーで陰鬱な雰囲気て流れていくそしてアラマルティアになると一気にテンポアップして明るい雰囲気になっていく。

最初にマイナーで陰鬱な雰囲気を出した後なのでアラマルティアがより一層快活で楽しいものに聴こえる。

ベートーヴェンがその後もよく使った手法だと思うけれど、やはり対比というのは音楽を聴かせるうえでも大切な要素でそれをベートーヴェンはとても有効に使った人なんだなと言うことも演奏を通じて感じることができた。

それはともかくいちにちいちにち無事に過ごせますようにそれを第一に願っていきたい。







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