雑草に占拠された花壇にひときわ目立つ花が咲いていた。それが、昨年植えた「マツモトセンノウ」(ナデシコ科)だった。ことしは花数が増えていたのがうれしい。環境省のレッドデータリストで絶滅危惧Ⅱ類にも登録されている。
名前の由来は信州松本に分布していたという説や花が松本幸四郎の家紋に似ているという説などがある。雑草の中で目立った華やかさはやはり歌舞伎の華麗さを表しているのかなとも思えた。「仙翁」は、京都嵯峨の「仙翁寺」周辺で栽培されたことからのネーミングらしい。花色はサーモンカラーの鮮やかさがある。また、花柄が絞り咲きになっているのも貴重だ。
その隣に、薄い橙色の花も咲いていた。花弁がハート型なのも魅力的だ。そういえば、以前暗い藪の中で、「フシグロセンノウ」を見たことを想い出した。花弁は切れ込みがない丸型だったが、やはりひときわ目立つスターのような存在感があった。
先月に、「ガンピセンノウ」を150円で買ってきた。処分寸前の商品だった。なんとかわが庭園で伸びやかに育ってほしいものだ。名前は、和紙の原料になる「雁皮」に似た花ということで、命名されたらしい。センノウの種類は、花色やその形、葉などにバリエーションが多い。江戸で開発された園芸種はほとんど幕末には消失したというが、現在はそれをなんとか復活させてきた途上なのかもしれない。