「朝からジョウビタキがにぎやかだぞえ」とジョウビタキの好きな和宮様が声を上げる。いよいよ晩秋の到来だ。そんな声のなか、ヨメナにアサギマダラが止まっていた。長距離ランナーのアサギマダラは数年に一度くらいでやってくる。毎年来てほしいと食草のフジバカマを植えるのだがいつも枯らしてしまう。
アサキマダラは近寄っても動きが緩慢でかなりお疲れのようだ。翅には日付や標識コードのしるしがなかったのでどこからやってきたかはわからない。これから台湾へ行くのだろうか。浅黄色は新選組隊士の羽織で有名だが、翅にもほんのり浅黄色がステンドグラスのようだった。食草のフジバカマは毒草なので、ゆらりと飛んでも鳥からの攻撃は避けられる。
しかし、カラスたちはこのチョウは危険だという信号をどのように受け取るのだろうか。その秘密はアサギマダラの模様にあるのだろうか。常連で有毒のウスバシロチョウの模様は白黒の網模様なので、色というより網状模様にヒントがあるのだろうか。いずれにせよ、元気に旅立ちしてもらたい。空飛ぶ使者は深まる秋を演出してくれている。