集落を貫通する道路の両側は杉や広葉樹に囲まれていて、観光バスが通るとき枝が接触してしまう。そのため、バス会社から通行を嫌がれることが何回かあったようだ。行政に頼んでもなかなか実施には時間がかかるし、予算もバカにならない。それで、集落が独自にやることになった。仕事の合間に5人が駆けつけた。
リースの高所作業車を借りてきて道路にはみ出した枝をバケットからチェンソーで伐っていく。オイラはなにもできないので、道路を通行する自動車の安全誘導をしたり、道路の清掃をすることしかやることがない。同時に、漏水していた集落の水道管もパイプを取り換えて補修してしまうというのも自前だった。口径にあうジョイントの部品もどこからか調達してきた。
自前でまちの補修をしていく「わざ」が「地域力」というものだろう。地方にはこうした「力」がある間は過疎も深刻ではないが、10年後にはどうなってしまうのだろうかと他人ごとではない。それにしても、都会ではなかなかみられないこの山里の自前の知恵と力、スペシャリストの役割に感心するばかり。