山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

飾り瓦が見どころ

2019-03-23 23:07:03 | 歴史・文化財
 鄙びた「大平(オイダイラ)」の「武速神社」ではあるが、屋根が見どころだ。重量感のある瓦と飾り瓦を使っているのを考えると昔は林業収入が高かったからなのかもしれない。「経の巻」型の「経」(キョウ)は楕円形で空に向かって反っている。その下に、「綾」が二本、中央の鏡(蓮の花)には、織田家の家紋「五瓜に唐花(ゴカニカラハナ)」が神紋となっている。

 
              
 左右の端には「逆さ獅子」が魔除けの任務として就ている。口をよーく見ると阿吽となっているし、尻尾がちょん切れているのも比較して初めてわかる。いつ頃の時代のものかはわからないが、躍動感あふれる名工の作品だ。


     
 さらには、「牡丹」の花の瓦も保存がいい。「牡丹」は、幸福と富貴を表す「花の王」なのだ。それが獅子とコラボしているから最高の組み合わせというところ。屋根の自遊空間を散策・想像する名工たちとムラびとたちとの精神的交流・心意気が、現代の格差拡大の新自由主義を撃つ。


           
 本殿の屋根には縁取りが強化されている「覆輪」型のようで波模様のある凝った「台付き」となっている。この「台」は瓦の留め具と雨の侵入を防ぐ役割がある。画像を確保できなかったが、稜線となる屋根の中央を支える「のし瓦」(雨の侵入も防御)の量感も圧巻だ(牡丹の瓦の後ろにちょこっと見える)。
 これだけの文化財をひと気のない過疎のムラはいかに維持管理していくか、辛いところに違いない。   
コメント
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