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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「地域おこし協力隊」の可能性

2018-09-04 16:06:16 | 読書

 台風がいよいよ上陸。雷と暴雨が空から炸裂している。近くの国道は全面通行止めとなった。どこでも土砂崩れの可能性があるわが地域は陸の孤島となる可能性がある。持続する雨にかまけて、水柿大地『21歳男子、過疎の山村に住むことにしました』(岩波書店、2014.5)を読む。作者は大学を休学して棚田で有名な岡山県上山集落に地域おこし協力隊として住み込む。

 

           

 この地域は、大阪方面からやってくる「英田上山(アイダウエヤマ)棚田団」が8300枚の棚田の保全活動をしていることで有名だった。その関係で、商社マン・アーティスト・IT技術者・電気屋・ナチュラリストなどが定住・応援していくことになる。その中に、若い「協力隊員」の役割があり、行政と地元の受け入れ体制があることで、過疎の集落から棚田再生の集「楽」へと発展していく。

 

  

 本書は地域おこし協力隊員の大地くんが地元農家の技や新住民のパワーから学んだ「卒論」でもある。それはまた岩波ジュニア新書なので中高生でも気軽に読める構成となっている。わが集落の現状では、茶畑をクズが征服する光景やら、茶畑が潰されていく変遷がいたいたしいのが象徴的だ。

                

 最近の山陰での地域おこし活動が注目されてきた。大地君は、棚田がきれいだから移住したというより、「そこにいる人や取り組みのおもしろさというのがポイントなんだ」と移住の動機を語る。また、ふだんのつながりで共通する部分は大事にしつつ、「おもしろいこと、アホなことを日常のすきまに加えて」いくほうが、「暮らし方の可能性も広がって、人が来やすい環境になっていくのだ」と喝破する。

   

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