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山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

久しぶりにフキバッタ発見

2020-07-14 22:51:43 | 生き物

 わが畑が荒野だったころにはよく見かけた「フキバッタ」を久しぶりに発見。翅が退化しているので近づいても飛んで逃げることはなかった。後足のももが一本取れていたのでじっとしていたのかもしれない。ふつうは緑色が基調だが本個体は茶色だった。フキバッタがなぜ翅を退化したのかいくつか調べたが、その理由の説明がほとんどなかった。まだ研究が進んでいないようだ。予算が経済効率ばかりが優先されているからだろうか。

            

 ふつうのバッタ類は、イネ科などの単子葉植物を食べるが、フキバッタはフキやクズなどの双子葉植物を食草とする。生き残り戦略をそうすることで飛んでいく必要がなくなったので翅が退化したのかもしれない。また、翅を退化したことで移動範囲が狭くなり、地域固有種が分化していくことになる。しかし、地域開発の進行によりそれぞれ絶滅の運命にあったため、その存在が自然環境の指標ともなっている。

                

 そのすぐ近くに、「イチモンジチョウ」(タテハチョウ科)が休んでいた。雨は霧雨だったせいか翅を広げて守備範囲を主張しているようだ。そういえば、よく飛来する「ミスジチョウ」も同じ所ばかりを飛んでいるのも縄張りを主張するためであったかと納得する。後翅の白紋は滲んでいるのも特徴だ。

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ポツンとタヌキが悠々と

2020-07-08 19:41:18 | 生き物

川に水没しそうな田んぼに生き物が一匹。雨が激しく降った後ではあるけれど、田んぼに餌はあるのだろうか。

 

 どうやらホンドタヌキのようだ。口に蛇だろうか何かを咥えている。今まで見てきたタヌキは病気だったり泥まみれだったり汚い印象が強かったが、毛並みはとてもきれいだ。昔はその毛皮が高値で売られたことから、「捕らぬ狸の皮算用」なんていうことわざも産んだ。空海も愛用して「選んだ」のは狸の毛筆だった。

              

 おっと、目があってしまった。それでも100mくらいの距離があったので安心したようで、悠々と餌を探しに田んぼの周りを探索していった。狸のもともとの生息地は極東で、世界的に見れば希少種の動物だそうだ。日本の動物園では相手国の動物(日本では珍しい)と狸とを交換する例もあるくらいだ。

 きょうのトマトハウスでは、大玉トマト第1号を食べられてしまったが、犯人はこのタヌキかもしれない。当局に相談してもまったくとりあってくれず、それこそ「タヌキ寝入り」されてしまった。

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オスの蝶はウンコがお好き!?

2020-07-07 22:21:41 | 生き物

 畝を耕運機で耕したいがなかなか天気がいやいやをする。一時、雨が止んだときがチャンスなのだがすぐ雨が襲う。そういう合間に、「カラスアゲハ」がやってきた。ミヤマカラスアゲハとにているのでいつも同定に迷う。「ミヤマ」のほうは、メタリックな光沢がとてもきれいだ。畝は鶏糞を撒いてそのままの状態だ。プロであれば雨でもやるだろうが、その日暮らしのオイラとしては一日のプログラムはころころ変わる。そこに、カラスアゲハが畝の土に来たというわけだが、その多くがオスだという。

              

 オスの蝶が動物の排せつ物を吸引する行動は、メスを探して飛び回る筋肉運動の栄養素、つまりナトリウムイオンを補給するためだという研究結果がある。そういう獣糞におしっこをかけて栄養分を溶かして「吸い戻す」という行動でもあるようだ。そのせいだろうか、1mくらいまで近づいても逃げずに懸命に吸引するオスの健気さは、交尾成功率をあげるためのようだ。オスはつらいよ。

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昼は里帰り、夜は光を

2020-06-25 21:46:24 | 生き物

 わが家で見られるホタルガは「シロシタホタルガ」(マダラガ科)だ。飛翔のようすはヘリコプターのようなゆったりと飛ぶのがいい。長い距離は飛べない。その「シロシタホタルガ」は、自分が孵化した古巣の「クロミノニシゴリ」の葉に里帰りしていた。

            

 翅に横一直線の白帯があるのですぐわかる。「ホタルガ」は、ややV字型の白帯、「シロシタホタルガ」は横一直線だが左右がかみ合わないほうが多い。それにしても、食樹が「クロミノニシゴリ」というあまり知られていない樹だけに特化しているのが頑固一徹を感じられる。その不器用さが魅力的だ。里帰り嬉しいね。

  

 昼の部の次は、夜の部だ。灯火に飛んできたのが「ツマオビアツバ」(ヤガ科)だった。画像は原稿用紙の上に着地した「ツマオビアツバ」だが、その大きさがわかるほどに小さい。幼虫は杉や松を食べるというからこの界隈にはふつうに生息していることになる。ちっちゃいだけでなく色も地味だし、個体数が多いわりには注目を浴びない蛾でもある。

           

 色も灰白色のものもいた。翅の上下に黒い横線があり、その間に?マークというかワラビマークというか、伸びやかなラインが描かれている。漢名で書くと「褄帯厚翅蛾」ということで、この蛾の特徴が表現されている。カタカナだけでなく漢名で見るとその由来が納得できることがある。着物の裾の「褄」を使うなんてなかなかしゃれているではないか。見向きもされない蛾もこうして注目してみると奥が深いことが予見できる。 

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サシガメの中の横綱がやってきた

2020-06-20 21:55:58 | 生き物

 白黒のフリフリレースが目立つ「ヨコヅナサシガメ」(サシガメ科)が夜にやってきた。以前、畑にやってきたことも何回かあった(2013.6.29.blog)が、深夜わが家に侵入してきたのは初めてのことだった。フリフリがやや斜めに立ち上がっていて、白のストライプが強烈だ。オートバイでいえば、ハーレーダビットソンのようなかっこいい昆虫だ。ふつうのカメムシは、野菜を吸汁する「害虫」で日々われわれを悩ましているが、サシガメは肉食系昆虫なのだ。ヨコヅナサシガメは、定宿の桜にたむろしていて桜を食害するイモムシなどを刺し、その体液を吸うという「益虫」でもある。

         

 ヨコヅナサシガメは昭和初期に日本に侵入した外来種で、地球温暖化とともに北上しているようだ。日本のサシガメの仲間では最大級の大きさなので、「横綱」の名前がつく。ときには、人をも刺すことがあり、激痛がはしるというから注意が必要だ。

 梅雨のさなかの畑では、ヤマビルが暗躍していてさっそく洗礼を受けた。できるだけ雑草を少なくして住処をなくしたいと草刈りを続けているが、もう「振出し」に戻ってしまった。いよいよ、昆虫だけでなくイノシシ・シカ・アナグマ対策をも具体化しなければならない。こうして、スローライフは駆け足になってしまって、おかげで昼寝がついつい長引いてしまっている。

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褐色の速さか薄墨の沈着か

2020-06-13 20:41:19 | 生き物

  このところやけに夜の訪問者が頻繁だ。スピード出し過ぎで飛んできた虫を逮捕する。すぐに留置場に入れたが黙秘で抵抗するので、素性がわからない。しばらくすると、折り込んで隠していたカマの腕を伸ばしてきた。それで蟷螂であることがわかった。しかし、その敏捷さはいままでのカマキリ概念を打ち砕くものだった。色は濃褐色でスマートな体だった。

          

 体が50mmほどの小ささだったのでコカマキリだと思っていた。しかし、コカマキリは腕の所に白黒の紋があるはずなのに、この住宅侵入の容疑者にはそれが全くない。どうやら「ヒメカマキリ」ではないかと当局は推定した。図鑑の多くはお腹の太いほうが掲載されていたが、どうも痩せたオスのようだ。カマキリがこんなにも俊敏であるのかと、従来のカマキリの緩慢な動きを覆すほどの速さだった。

           

 いっぽう、灯火にやってきたのは、「クビワウスグロホソバ」(ヒトリガ科)だった。こちらは対照的な薄墨色の衣を着た婦人・僧侶のような沈着な蛾だった。顔の後のオレンジのマフラーを見ると、ホタルガの仲間とみた。

            

 しかしそれは、蛍に擬態した生き残り戦略があるようで、ヒトリガ科だった。蛍は有毒なので野鳥は食べないからだ。オレンジのマフラーの後は青紫色で、メタリックに光るのも魅力的だ。幼虫が地衣類を食べるので、コケガ亜科に属している。

 両者とも他意がないとみて当局は優しく下界へ釈放した。

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もろ過ぎる巨体とオシャレなスタイリストと

2020-06-09 23:04:06 | 生き物

 夜になると巨大なガガンボ(ガガンボ科)がよく現れる。日本では700種類もいるというが、よく出会うガガンボはみんな同じに見える。しかも、ほとんどが死体を残していくというのが不思議だ。ガガンボに初めて出会った人らのひきつった恐怖の表情が見ものだ。久しぶりに10cmはあろうかと思われる巨大なガガンボが蛍光灯の紐にぶるさがっていた。

 こちらは寝る時間なので紐を引っ張りたいが、ガガンボに接触してしまう。少しでも接触してしまうと足がとれてしまうほど華奢だ。

  

 拡大してみるとトンボみたいだが、画像下側に耳かきのようなこん棒が左右にある。これは後翅が退化したもので、左右の体のバランスをとるための「平均棍」というもの。初めて知った。このガガンボは、幼虫のカタチがちぎれた蛆虫みたいなので、「キリウジ(切蛆)ガガンボ」と名付けられたという。

   

 いっぽう、昼間の畑ではセルリに近寄った「キハダカノコガ」2頭を発見。いわゆる「カノコガ」は黄色の帯が2本しかないが、こちらは6~7本もある。似ている仲間に「トラガ」という蛾もいるが、胴体はそっくりだ。翅は鹿の子模様だが、やっぱり黄色と黒のラインが目立つ。デザインといい色合いといい、どこを見ても都会的なセンスの完璧なスタイリストだ。交尾が終わったのか、近寄っても動かない仲睦まじいカップルだった。    

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殿様が和宮様に会いにやってきたが…

2020-06-04 23:13:06 | 生き物

 スナップエンドウの支柱をセットし、シカや害獣に食べられないよう周りに青いネットを張る。こんなことは初めてだが、残念ながらこのところ獣害の現実は甘くない。そのネットに小さな「トノサマガエル」(アカガエル科)がうろうろしていた。近くに昔のしいたけのほだ木を入れる水槽があり、そこに生息しているようだ。

 和宮様に会いに来たようだが、姫は淡竹のメンマづくりに忙しくてそれどころではない。振られた殿様はちょっぴり淋しそうだったが、金の眼を大きく開き、体の縦の線を整えて威厳を無理に正していたようだった。

  

 群れで行動しないアウトローの「殿様」は、縄張り意識が強い。天敵が近づくと腹を膨らませて威嚇する。その偉ぶった姿はまさに殿様らしいのだが、青いネット周辺には天敵は現れなかった。以前、蛇がカエルを飲み込む場面を見たことがあったが、殿様はときに蛇をも食べてしまうことがあるという。「ぜひわが畑の虫を食べ放題してください」と懇願してみた。最近はキュウリの葉を貪る「ウリハムシ」の襲来がひどいからだ。

 時代だろうがこの殿さまも全国的には少なくなり、絶滅危惧種に指定されるのではないかとささやかれるほどだ。畑にはアマガエルが圧倒的に多く、モリアオガエルも一時いたことがあった最近は姿を消し、今年から殿様は新しくお成りとなったばかりだ。その意味で、ぜひ長く定住赴任してほしいものだ。

        

 そしてなんと深夜に、かわいい「アマガエル」がわが家を侵入。はじめはシュレーゲルアオガエルかと思うほどの緑のいでたちだった。警備に当たっていた当局は即座に犯人を逮捕。

        

 犯人は眼の周りの黒班からアマガエルを特定したが、害を与えなかったことで即座に釈放。これから夏本番をひかえますます侵入者が増えていくなか、隙間だらけの家の現状に頭を抱える。

             

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突然の夜の訪問者は三頭

2020-06-01 19:59:08 | 生き物

ガサガサと障子を歩き回っていたのは、「アシダカグモ」(アシダカグモ科)だった。障子の一区画ほどの大きさにいつもドキッとさせられる。日本の徘徊性クモの中では第2位の大きさだ。

         

 拡大するとまるでカニのような形をしている。個体により頭胸部や腹部に明確な斑紋があるものもいるが、これはやや不明瞭だ。徘徊パトロールのおかげか、隙間だらけの民家のわりにはゴキブリが少ない。

       

  初夏の常連の訪問者は、「スジベニコケガ」(ヒトリガ科)だ。背中の上部にはもう一つの顔があるのをいつも楽しみにしている。表情が個体により微妙に違う。まるで、魔女か魔法使いか王女様か、華麗で愉快な蛾ではないか。

 大きさがセセリチョウより小さいので、その顔の紋を見るのが難しい。幼虫は苔を食べるので、「コケガ」という。梅や桜の皮など一年中食料があるので生き残り戦略が優れている。灰褐色の地味な蛾が圧倒的に多いなかで、オレンジのデザインが強烈に目立つベストドレッサーでもある。

    

 子どもの頃、この飛び跳ねる様子を見たくて何度も遊んだ記憶がある「ヒゲコメツキ」(コメツキムシ科)も侵入してきた。いつもは髭のないメスが多かったが今回は立派な髭をしたオスだった。どうやら、メスのフェロモンの匂いを感知しやすいよう努力した結果らしい。昆虫も人間もオスの生き抜く環境の厳しさは変わらない。

 名前の由来は、水車を利用して米つきをやっている上下機動が似ているからだという。また、跳びはねる理由は、野鳥を脅かして自らを防御することからのようだ。なるほど。それぞれの生き残り戦略はじつによく練られたものであることを示唆した訪問者たちでもあった。    

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「ミヤマ」か「カラス」かそれが問題だ、が…

2020-05-26 22:16:55 | 生き物

 近所の庭のムシトリナデシコの見事な群落に黒い蝶が飛来していた。はじめはクロアゲハかなと思っていたが、青い斑紋や白色帯も見えたので、これはミヤマカラスアゲハかカラスアゲハらしいと予想した。

  

 近づくと逃げてしまうので望遠でキャッチするが、なかなか翅を休めてくれない。以前、長野の山中で大型のミヤマカラスアゲハを初めて見た衝撃が忘れられない。まさに複数のメタリックな光沢が水たまりに反射して群舞する。しかし、目の前の蝶は小型だ。

  

 春型のミヤマカラスアゲハは小型であるのを初めて知る。いずれにせよ、アゲハチョウくらいの大きさなのは間違いない。止まってくれないので残念ながらグリーンのメタリックな表の翅は確認できなかったが、黒っぽく、またジャコウアゲハのような灰色帯が交差するように見えた。ここでは「ミヤマ」か「カラス」かは問題ではない。こうした珍しい蝶がこの小さな山里に飛来していることが素敵なのだ。

 新型コロナは、人類の急速な経済成長・土地開発の価値観を根底から揺さぶった。この教訓からわれわれはどういう価値観を日々の暮らしのなかに貫いているかどうかが問われている。同時に、貴重なカラスアゲハの飛来について、中山間地の価値をもっと輝かしいものにしたいものだと、こじつけながら思うのだった。

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