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鬼怒川温泉(きぬがわおんせん) 2

2021-07-02 16:42:46 | 日記
鬼怒川温泉(きぬがわおんせん) 2
鬼怒川の渓谷沿いに大型のリゾートホテル・旅館が連なるようになったのは高度経済成長期以降です。ほとんどの地場資本による宿泊施設のメインバンクの足利銀行は、融資拡大路線と相まってバブル期に宿泊施設の増築・改装といった設備投資に対して積極的に融資を行いました。バブル崩壊後は越冬資金(売上が減少する冬季の運転資金)融資を引き受け、返済困難な既存借入を新規融資で肩代わりし借換えさせる(押貸)策により、殆どの宿泊施設は宿泊客が年々減少する平成不況下でも延命されてきました。
転機は2003年11月の足利銀行は経営破綻により預金保険機構が一時国有化され融資基準が厳格化が行われると、不良債権が認められた貸出先については新規融資が困難となり、あさやホテルのようにバブル期の設備投資による過剰な融資が集中した鬼怒川温泉界隈で資金繰りの悪化が懸念された。その後不良債権の多くは整理回収機構へ債権譲渡され、取立や資金繰りに屈した事業者が2005年前後に相次いで倒産しました。あさやホテルを始めとした5社は産業再生機構の支援下に入り、債権放棄を受け経営再建を果たすことになりました。これらの施設は金融支援のうえ経営会社の株式(経営権)や不動産が企業再生ファンドに買い叩かれたことで資産規模が軽くなり、設備のリニューアルや低価格を武器に集客を図っています。その一方、休館した一部のリゾートホテルは解体されず放置され、廃墟となっています。
2019年現在、各旅館ホテルは客室露天風呂の設置など、積極的にリニューアルし、インバウンド(訪日外国人客)の積極的な受け入れを行なったり、個人旅行及び富裕層のニーズに対応している他、温泉街からすればある種“救世主的存在”ともいえる引き受け先の多くが全国チェーンのブランド企業が進出しています。コストパフォーマンスの良い大江戸温泉グループの鬼怒川観光ホテル、ホテル鬼怒川御苑や星野リゾート界鬼怒川など高級旅館の新築による開業等があります。
鬼怒川温泉駅前など温泉街を中心に、日光ブランド認定品の地元食材等を使用した、あさやホテルの土産店や様々な嗜好のカフェなど飲食店や店舗などが増加しています。
















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