■14日昼過ぎ(事故現場より)
やがて、ストレッチャーが運ばれてきた。
ここに寝ろと指示されるが、情けないことに体が動かせない。
ぜひぜひしながらフリーズしていると、救急隊員の方が前後から担ぎ上げるようにして僕を持ち上げてくれた。
その刹那!激痛が胸から放射状に伸びて体内を駈け巡る!
歯を食いしばる僕を抱え。救急隊員の方は、横の担架へ。
無論、最大限の注意を払ってそっと寝かせて戴けた筈だが、寝かされた瞬間最大級の痛みがトム&ジェリーのように体内狭しと走り回っている。
身動きもままならない僕を乗せて、担架は救急車に。
その際のショックが、また更なる火花を胸のなかに散らす。
救急車のなかでは、隊員さんが移動に備えててきぱきと僕の首、胸、腰、足等を固定しにかかる。
さきほどまで、上半身を起こしていた時の方がまだ楽だったのだが、もう俎板の上の鯉である。
そうして、僕の体を見てくれている人とは別の隊員さんが、搬送先の病院を探している声が聞こえる。
その中に、ドクターヘリという言葉が飛びかいだして、びっくりする。
えええ!?そこまでいるの?
いえ、もう自分でここから帰りますから。
どうか大事にしないでください。
そんな僕の思いは、ぜひぜひに紛れて無論声にならない。
やがて、体の固定をしてくれた人が、また僕の名前を聞き始める。
もうコレで何回目だ?
そう思いながらも、「MOLぜひぜひ‥TAぜひぜひ‥です」
ああ。やっと言えたよ。
俺はやったよ。
そう思ったが、甘かった。
「下の名の漢字は?」
うおお!そうきたか!
僕の下の名の漢字は、少々説明が面倒臭いのだ。
なかなか、一度で分かってもらえた試しが無く、普段でも面倒なときは「ひらがなです」と言っちゃうくらいなのだ。
それを、今!トライしろと?
頼むから、カバンに入っている免許証をみてくれ~!
(この稿、続く)
やがて、ストレッチャーが運ばれてきた。
ここに寝ろと指示されるが、情けないことに体が動かせない。
ぜひぜひしながらフリーズしていると、救急隊員の方が前後から担ぎ上げるようにして僕を持ち上げてくれた。
その刹那!激痛が胸から放射状に伸びて体内を駈け巡る!
歯を食いしばる僕を抱え。救急隊員の方は、横の担架へ。
無論、最大限の注意を払ってそっと寝かせて戴けた筈だが、寝かされた瞬間最大級の痛みがトム&ジェリーのように体内狭しと走り回っている。
身動きもままならない僕を乗せて、担架は救急車に。
その際のショックが、また更なる火花を胸のなかに散らす。
救急車のなかでは、隊員さんが移動に備えててきぱきと僕の首、胸、腰、足等を固定しにかかる。
さきほどまで、上半身を起こしていた時の方がまだ楽だったのだが、もう俎板の上の鯉である。
そうして、僕の体を見てくれている人とは別の隊員さんが、搬送先の病院を探している声が聞こえる。
その中に、ドクターヘリという言葉が飛びかいだして、びっくりする。
えええ!?そこまでいるの?
いえ、もう自分でここから帰りますから。
どうか大事にしないでください。
そんな僕の思いは、ぜひぜひに紛れて無論声にならない。
やがて、体の固定をしてくれた人が、また僕の名前を聞き始める。
もうコレで何回目だ?
そう思いながらも、「MOLぜひぜひ‥TAぜひぜひ‥です」
ああ。やっと言えたよ。
俺はやったよ。
そう思ったが、甘かった。
「下の名の漢字は?」
うおお!そうきたか!
僕の下の名の漢字は、少々説明が面倒臭いのだ。
なかなか、一度で分かってもらえた試しが無く、普段でも面倒なときは「ひらがなです」と言っちゃうくらいなのだ。
それを、今!トライしろと?
頼むから、カバンに入っている免許証をみてくれ~!
(この稿、続く)