活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

青い実を食べた -さと子の場合- (前編)

2008-06-18 01:59:46 | 舞台の海
2008年6月15日(日) 午後2時開演 大阪ビジネスパーク円形ホールにて


22年前。

この作品が、始めて世に送り出されたとき。

僕は、どれほどの衝撃を受けたのだろう。

今となっては、時の彼方にあるようで、それでいてつい近くに存在して
いるような。
そんな不思議な感覚に捉われている、記憶の中の舞台の情景。

なぜ僕は、あの当時、この作品にあれほど傾倒したのだろう。

勿論、全国津々浦々を追いかけるまではしなかったものの、
関東近郊の上演には、通える限り通った。

この作品の中で問われたもの。

年をとっていくということ。
あるがままの他者を受け入れること。
あるがままの自分を受け入れること。

そして…、
例え世界がどんなに目を背けたいほど辛い出来事に満ちていたとしても、
どこかにパンドラの箱のように希望の欠片は残っているだ、ということ。


あの当時の僕を取り巻く環境が、決して過酷なものであった訳ではない。
そして、閉塞感に胸が塞がり、行き詰っていたという程の逼迫状況にあった
訳でもない。

それでも。
とよ子の悩みや恐れ、苦悩を、吾が事のように感じることが出来た。
舞台の上には、溢れんばかりの光が満ち満ちている様にさえ感じた。
主演の井澤磨紀と、青い鳥創生期からのメンバーの遣り取りには
青いプラズマが光っているようにも思えた。

そして、あれから20余年。

僕は、再び「青い実を食べた」と再会した。

この再会が、僕に何をもたらしたのか。
舞台を見て、どのように感じたのか。

とても一言では言い表せない、複雑な思いが胸を駆け巡る。

抱えきれない思いを抱いて、次回へ続く。


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