活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

日本実験棟「きぼう」完成 若田さんら組み立て

2009-07-20 00:00:31 | 活字の海(新聞記事編)
asahi.com 2009年7月19日15時0分 配信版より

※ このニュースの原文は、こちらで読めます

※ 画像は、上記ニュースより引用。


宇宙ステーションと聞いて、僕が真っ先に連想するものといえば…。

一つは、こちら。
2001年宇宙の旅。
この冒頭の原人のシーンから、宇宙ステーションに繋がるシーンの
流麗さときたら!
語られ尽くした感もあるが、いいものはいいのだ。



もう一つは、こちら。
サンダーバード5号。
作品中では、拠点が宇宙ということもあって、主な活躍を1号や
2号に譲って、あまり目立たなかったが、それでも幼心に宇宙
ステーションといえばこのフォルム!が、長らく刷り込まれていた。




後は、少し宇宙ステーションとは異なるけれど、オービタル・
リング。
これは、軌道上にリングを構築し、軌道エレベータで地上と
宇宙とを結ぶことで、輸送コストの問題その他を一気に解決
しようというもの。
これについては、日本でも宇宙エレベータ協会も発足し、
その実現に向けた議論や基礎研究が日々行われているところ。
#ちなみに、僕も協会員となっている。

こちらについては、和紗泰信氏のHPに素晴らしいCGが掲載
されている。



とまあ、ここまでは現時点ではまだ空想、あるいは発展途上な話。

そこに、満を持して登場するのが、ISSと実験棟「きぼう」である。
その完成を報じるニュースが、早々にようつべにUPされていた。
ISS側の「きぼう」の本体と、今回シャトル(「エンデバー」)で
運ばれた船外実験プラットホームとの接合シーンは、背景となる
地球の姿とも相俟って、たまらなく美しい。

日本の実験棟「きぼう」完成 NASA、「若田さんは素晴らしい仕事をした」とたたえる



完成まで22年。
投じた資金は、7600億円に及ぶ。
しかも、これからのランニング費用は、年400億円となり、
更にその運用は、2016年には終結となり、ISSごと大気圏内へと
投棄されるという。

その「きぼう」については、様々な議論があるだろう。

その中でも最右翼のものが、上述したような費用を投じてまで、
果たして日本がISS計画に参加する必要があったのか?という
ものだろう。

更に、それを補完する課題として、米国主導によるISS計画
というものがある。
結局、生命維持等の基幹部分の技術的ノウハウは米国がしっかりと
抱え込み、かつ自国に都合がよいように仕様や設計を変えていく構図は、
ISSの計画発足以来、見事なくらいに一環している。

「きぼう」も、利用権のほぼ半分をアメリカに握られているもの
なあ。


まあ。
それでも。
あまり、ペシミスティックになっても仕方ない。
とりあえず、出来たものは出来たのだ。

上で美しいCGを紹介した和紗氏も、そのブログの中で、宇宙に
投じた資金は、必ずや何らかの形で人類に見返りとして返って
くるだろう
と述べている。

宇宙という空間は、重力の井戸の底に縛られた地上では手に
入れることの出来ない、様々なもので満ちている。

それは、あるときは無重力がもたらすものであったり、
またあるときは距離によるものだったりもすることだろう。

今年9月には、ISSとの資材運搬用として、2010年には
運行を停止するスペースシャトルに変わるものとして期待が
寄せられるHTVが日本から打ち上げられる。


こんな、閉塞感を感じる時代だからこそ。
こうした技術の進歩が、人類の足元を照らす一条の光とならん
ことを、切に願う。


(この稿、了)


(付記)
今週の土曜日(7/25)には、大阪でJAXA(宇宙航空研究開発
機構)によるタウンミーティングも開催
される。

ミーティングに合わせて、もう一度全天球ムービーでHAYABUSA
にも会って来たいな。

そして、その後は天神祭り。

古からの営みと、宇宙という未来への眼差し。
その双方に同日に見えることの出来る、幸せ。


宇宙へ人が往く、ということの意味を、深く問いかける良書。
もっとも、先に取り上げた「人類の月面着陸は無かったろう論」では
本書もボコボコにけなされていたが(笑)。
宇宙からの帰還 (中公文庫)
立花 隆
中央公論新社

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この著者の描く宇宙の姿に、いつも僕は圧巻される。
色々と間違いも指摘されることもあるが、そうしたことがあったと
しても、尚。
そのイマジネーションに、僕の脳は痺れさせられるのだ。
MOONLIGHT MILE 1 (ビッグコミックス)
太田垣 康男
小学館

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宇宙のデブリ屋(ごみ拾い)を描いた作品。
地味だけど、この上なく深刻なこの問題を、淡々と、熱きところは
熱く描いてくれたこの作品も、とてもお気に入り。
プラネテス (1) (モーニングKC (735))
幸村 誠
講談社

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