活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

男子禁制!!ロッカールーム 第7回 カラダの声を聞く

2009-07-05 00:00:10 | 活字の海(新聞記事編)
2009年7月4日(土) 毎日新聞朝刊 13面 くらしナビより
作者:篠田節子(作家) イラスト:とりのなん子(漫画家)


※ このコラムの原文は、こちらで読めます


久しぶりに、「おう!」と膝を叩きたくなるような文章に出会う
ことが出来た。

今回のコラムの中で、筆者が言い切った以下の言葉がそれである。

「自分の心などいくらのぞき込んでも、現れるのはめまぐるしく
 姿を変える幻覚めいた自己像だけだからだ。」


正に。
本当に、正にそのとおりである。

いくら心の中を掘り下げていっても、都度の気分で乱れる思いの
障壁に邪魔をされて、自分が本当にやりたいことなど見つけられる
道理も無い。

地上の星は、探すのは大変なのだ。
星は、やはり遠く夜空にあって、その人を導くものでなくてはならない。


とは云いつつ。
人は、時にその頭上の星を見失い、途方に暮れる。
垂れ込めた暗雲は、その人にとっての北極星(ポーラスター)を
覆い隠す。
荒れ狂う風雨と波浪は足元を掬(すく)い、まともに立っている
ことさえ儘(まま)ならなくなる。

それでも。
あの黒雲の彼方には、自らの星が輝くことを信じ切ることが
出来る人だけが。

人生の羅針盤を、持ち続けることが出来る。


ただ。
人は誰も、そんな風に常に強くいられるものでもない。
どれほど強固に意思の柱を心に持っていたとしても。
時に、それは削れ、あるいは折れ、そして倒れてしまう。

そんな時。
どうやって、人は心にもう一度、柱を立てることが出来る
のだろう。

このコラムの中で、その答えの一つが示される。

それこそは。
標題にある、「カラダの声を聞く」ということ。

心の中で、迷路に嵌り込んでしまった時に、その脱出方法を
心の中を探ることで見出そうとしていないか?

そうではなく。
余分なことを考えられなくなるほどに。
思いっきり、カラダを動かせ。

流した汗に比例して、心に澱んでいた滓も洗い流されてゆく。

そんな経験をすれば、心身のバランスを取ることが、人らしい
生き方を導き出す基本だという考えにも、容易に首肯出来る
だろう。

このことを総括して、筆者はこう表現する。

「病は気からと言うが、むしろ身体の状態と生活パターンの方が、
 心や物の考え方を左右していくのではないか」


無論。
道は、一つではない。

その人なりに合った心身の快復方法が、きっと有るに違いない。

それでも。
とりあえず、最近は確かに流れる汗と喘ぐ呼吸を押して、
自分の限界に挑戦するように全力疾走するという経験からは、
遠く隔たってしまっていたこの身に、鞭を入れてみよう。


おっと。
もうこんな時間だ。

鞭を入れるのは、明日から。
これも、心身の健康のため(笑)。


(この稿、了)


(付記)
「地上の星」と言えば、やはりこの歌だろうなあ。
ということで。
まあ今回のコラムで取り上げた「地上の星」は、この歌とは少し
ニュアンスが違うんだけど、いい歌だから気にしない。
Miyuki Nakajima(PV) 地上の星


あちらが出たなら、エンディングも。
Nakajima Miyuki - Headlight Taillight ヘッドライト・テールライト





自らの心に惑い、手探りで歩いているような状態に陥った時。
夜空に、見失っていたその人の北極星を見つけ出せる本。
マイミクS氏の推薦本。
必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス
堀内 浩二
日本実業出版社

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現代と言う時代の檻の中に生きる人々に取って、心身のバランスを
取ると言うことはどういうことなのか。
それを考えるヒントをくれる一冊。
心身自在 (角川文庫)
アンドルー ワイル
角川書店

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今回はイラストを紹介できなかったけれど、とりのなん子先生の絵は
相変わらず清々しい。
信州を吹き渡る冷たく爽やかな空気を感じることが出来るような絵を
見たい人は、毎日新聞を購読しましょう(笑)。
その、とりの先生の単行本。
前回は1巻を紹介したので、今回は2巻を。
とりぱん2
とりの なん子
講談社

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