活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)  福島香織

2008-09-14 22:42:47 | 活字の海(新聞記事編)
北京趣聞博客 (ぺきんこねたぶろぐ)は、産経新聞の記者 福島香織さんの
ブログである。

福島記者については、産経新聞を読んでいた頃から署名記事でその名を知って
いた。

その切れ味の鋭い記事を久しぶりに読みたくなって、ネットで検索してみたら、
ご本人のブログに行き着き、それから愛読させていただいている。

今は(といっても、明日までだけれど)中国総局記者として、北京に駐在中。

中国という国の懐に飛び込んだ形での取材は、福島氏のスタンスを持って
すると、やりにくい面も多々有った(そんな生易しい表現の是非はともかく
として)と思うし、当局によるネットアクセスや取材の規制等、様々な
障壁を乗り越えて、新聞に載らない(載せられない)様な情報もコツコツと
掬い上げ、投稿してくれたこのブログは、本当にためになった。

勿論、どのような情報も、どう解釈していくかの最終責任は受け取り手に有る。

福島氏の見解は、あくまで福島氏のものであり、それに対して自分がどの様な
受け止め方をするかは、読み手としての自分に掛かっているとは思う。

が、思考を深めるにしても、そのための材料が必要だ。
#無ければ無いで、手持ちで何とかするクッキング・パパ的対応も必要だが、
 どんな情報でも、有るに越したことは無い。
 どう料理するかは、料理人次第。そしてどう食べるかは、食事人次第だ。

現地で福島氏が広げていった様々な階層のネットワークを通じて送り届け
られるメッセージを、福島氏が自らのフィルターを通じて届けてくれる
このブログは、中国という様々な意味で目を離せない国の内情を少しでも
洞察するよすがとして、大いに役立ってくれた。

氏の、これまでの精力的なブログ更新に、感謝の意を表したい。


明日15日、日本に帰られ、その後は政治部に勤務となるとのこと。

環境の変化は大きく、当初は大変だろうが、またより一層切れ味を増した
ブログを期待したい。

ただ、その時はブログのタイトルが何になるのか?
これは氏自ら?を表明していたことだが、この何とも言えない字面が結構
好きだったので、もし換えられるとすれば寂しい限りだ。

が、それも又一つの区切りなんだろうね。

6年半の海外勤務。お疲れ様でした。


付記

数回前の氏のブログに、北京五輪の総括記事が有った。
敢えて自分のブログでは、今回の五輪には触れてこなかったが、氏の総括を
読んで、少しだけ僕も所感を書きたくなったので、こうした形で記しておく。

開会式でのCG花火、口パク、年齢詐称疑惑、その他と、何かと昨今の
キーワードである偽装が取り沙汰された五輪ではあったが、僕は実は結構
感動していた。

そうした情報が、漏れ出るようになった、ということに対してである。

恐らく、20世紀の中国では、そうした類の情報が漏洩することは、
決して無かったであろう。

この情報開示の進捗が、共産党の一党独裁体制の綻びによるものなのか、
もしくは高度にコントロールされたガス抜きとしてのものなのかは、
様々な意見があるところであるが、前者であるとするならば、このことの
持つ意味は実に大きい。

勿論、反日デモの扇動騒動に有るように、後者の可能性も多分に有り、
それはそれで、拍手モノの話なのだが。

ただ、どれほど精緻に構築された社会システムであっても、否、
精緻に構築されればされるほど、様々な形と大きさで歪は浮き上がって
来るものだ。

その歪をどう乗りこなしていくのか。
壮大な社会実験が、今も隣国で続いている。


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