枝ぶりの日ごとにかはる芙蓉かな 芭 蕉
『後れ馳(おくればせ)』に、「此の句、自画の芙蓉の賛に見えたり。元禄のはじめの吟なるべし」と付記して掲出。
画賛のようであるから、描かれている芙蓉に、動きを加えた発想である。遊女の画賛という所伝もあるが、それでは思わせぶりな句になる。
季語は「芙蓉」で秋。葉に短い毛が密生し、おもに淡紅色の美しい五弁の花を開くが、朝咲いて夕方はしぼむ。茎は1.5メートルほど、花の大きさは10センチ前後で、白い花や八重咲きのものもある。「酔芙蓉」は、八重咲きで、朝は白色で午後になると淡紅色、夜は紅色に変わり、翌朝になってもしぼまない。花は薄命の美女にたとえられるように、楚々とした気品と艶麗さを感じさせる。
画賛としては、画中の芙蓉に、それまでの体験を呼びさまして加えた生かし方となる。
なお、「芙蓉」の絵といえば、花岡哲象先生の「芙蓉」が、天下一品だと思う。
「芙蓉は下の方から咲きはじめて、しだいに高いところに及ぶ。
朝咲いて夕方しぼむので、日ごとに変わった感じがする。また
その枝ぶりも日に日に変化するようで、まことにおもしろい」
やすらぎは雨過天青の白芙蓉 季 己
『後れ馳(おくればせ)』に、「此の句、自画の芙蓉の賛に見えたり。元禄のはじめの吟なるべし」と付記して掲出。
画賛のようであるから、描かれている芙蓉に、動きを加えた発想である。遊女の画賛という所伝もあるが、それでは思わせぶりな句になる。
季語は「芙蓉」で秋。葉に短い毛が密生し、おもに淡紅色の美しい五弁の花を開くが、朝咲いて夕方はしぼむ。茎は1.5メートルほど、花の大きさは10センチ前後で、白い花や八重咲きのものもある。「酔芙蓉」は、八重咲きで、朝は白色で午後になると淡紅色、夜は紅色に変わり、翌朝になってもしぼまない。花は薄命の美女にたとえられるように、楚々とした気品と艶麗さを感じさせる。
画賛としては、画中の芙蓉に、それまでの体験を呼びさまして加えた生かし方となる。
なお、「芙蓉」の絵といえば、花岡哲象先生の「芙蓉」が、天下一品だと思う。
「芙蓉は下の方から咲きはじめて、しだいに高いところに及ぶ。
朝咲いて夕方しぼむので、日ごとに変わった感じがする。また
その枝ぶりも日に日に変化するようで、まことにおもしろい」
やすらぎは雨過天青の白芙蓉 季 己