妙義山
立去ル事一里眉毛に秋の峰寒し 蕪 村
上の句が非常に長くなり、かつ、漢語調で表現されている。けれども言葉そのものは漢語ではない。漢語調によって、全体に漢詩的な風趣が添えられ、それが南画的奇峰の打ち並んだ妙義山の実景に適合している。
「立去ル事一里」も、麓を曳かずに屹立している妙義山の実状をあらわしている。直下にあった時には、山の全貌は眺め渡せなかったのである。
「眉毛に」は、いわゆる「眉毛に迫って」であって、「打ち仰ぐ」気持がこめられている。
季語は「秋の峰」で秋。
「妙義山の麓から一里ほど歩み離れて振り返れば、己の眉より高く
全貌が眺められる。晩秋の空に峰々が堂々とそびえ立っているが、
いかにも寒々としたありさまである」
がりがりの人ゐて秋の妙義山 季 己
立去ル事一里眉毛に秋の峰寒し 蕪 村
上の句が非常に長くなり、かつ、漢語調で表現されている。けれども言葉そのものは漢語ではない。漢語調によって、全体に漢詩的な風趣が添えられ、それが南画的奇峰の打ち並んだ妙義山の実景に適合している。
「立去ル事一里」も、麓を曳かずに屹立している妙義山の実状をあらわしている。直下にあった時には、山の全貌は眺め渡せなかったのである。
「眉毛に」は、いわゆる「眉毛に迫って」であって、「打ち仰ぐ」気持がこめられている。
季語は「秋の峰」で秋。
「妙義山の麓から一里ほど歩み離れて振り返れば、己の眉より高く
全貌が眺められる。晩秋の空に峰々が堂々とそびえ立っているが、
いかにも寒々としたありさまである」
がりがりの人ゐて秋の妙義山 季 己