壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

初薬師

2008年01月08日 16時37分17秒 | Weblog
 毎月8日は薬師如来の縁日。奈良・薬師寺では、毎月この日、白鳳伽藍金堂において、薬師縁日、大般若経転読が厳修される。
 ことに、1月8日は、初薬師として、多くの参詣者でにぎわう。
 薬師如来は、衆生の病や患いを救い、災難を除く如来といわれ、広く信仰されている。初薬師の参詣はとりわけ、ご利益があるという。
 薬師如来のご真言は、「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」なので、お薬師さんにお願いするときは、このご真言を唱えるとよい。

 旧作の拙句に、つぎのような変な句がある。

      おんにこにこにつこりそわか掛大根    季 己

 「おんにこにこにつこりそわか」は、ご真言のもじり。架に掛けられた大根が、冬の日を浴びて、にっこり笑っているように感じられたので、詠んだまで…。
 掛大根とは、冬の季語で、沢庵漬にするため、洗った大根を十本ぐらいずつ束ね、木や垣根、あるいは架を組んで掛け、干されたもの。“大根干す”ともいう。
 大根は清浄、淡白な味わいのある食物として、多くの人に好まれ、しかも、体内の毒素を中和して助ける働きがあるところから、聖天様の「お働き」をあらわすものとして尊ばれ、聖天様のご供養に欠かせないお供物とされている。
 そのお下がりの大根を頂く「大根まつり」が、昨日、東京・浅草の待乳山聖天で行われた。
 聖天様の徳を頂戴し、身体と心の健康を得るために、1974年より行われている正月行事だという。


     行末はあなたまかせの初薬師    季 己