鳴海眺望
初秋や海も青田の一みどり 芭 蕉
たまたま見たその場の初秋の景をもって挨拶としたもの。一読、爽快な初秋の眺望である。何の巧みもなく、初秋の鳴海潟の大景に心奪われたものであって、その流動的、直線的な声調に、初秋の景に惹かれた感動のの明るさがあふれている。
対象に身を寄せて、そのものになり入ってゆく芭蕉の態度が、よく生かされている句といえよう。「や」・「も」・「の」の助詞が、実に的確に生かされている。ふつうは、「海も青田も」としてしまいがちである。「青田の一みどり」の「の」の使い方を、しっかり学びたい。
季語は「初秋」で秋。貞享五年七月十日、「鳴海絞り」で有名な、尾張鳴海(今の名古屋市緑区)での作。
「稲の伸びそろった青田が一望のうちに見え、その彼方に色濃い海が
青田のみどりとひとつづきに見渡されて、まことに清爽な初秋の景で
ある」
女神湖の神わたるかや秋の虹 季 己
初秋や海も青田の一みどり 芭 蕉
たまたま見たその場の初秋の景をもって挨拶としたもの。一読、爽快な初秋の眺望である。何の巧みもなく、初秋の鳴海潟の大景に心奪われたものであって、その流動的、直線的な声調に、初秋の景に惹かれた感動のの明るさがあふれている。
対象に身を寄せて、そのものになり入ってゆく芭蕉の態度が、よく生かされている句といえよう。「や」・「も」・「の」の助詞が、実に的確に生かされている。ふつうは、「海も青田も」としてしまいがちである。「青田の一みどり」の「の」の使い方を、しっかり学びたい。
季語は「初秋」で秋。貞享五年七月十日、「鳴海絞り」で有名な、尾張鳴海(今の名古屋市緑区)での作。
「稲の伸びそろった青田が一望のうちに見え、その彼方に色濃い海が
青田のみどりとひとつづきに見渡されて、まことに清爽な初秋の景で
ある」
女神湖の神わたるかや秋の虹 季 己