猫 周公のコラム

スケッチとエッセイ

ロートレック展 

2007年12月16日 | Weblog
愛知県美術館で開催している「ロートレック展」を観てきました。

ロートレックは好きな画家の一人です。
今度の展覧会は、残念ながらリトグラフが多くて、肉筆の油彩が少なかったことです。
特に見慣れたポスター類が多すぎて新鮮味に欠けていました。

人間の深層部を捉えた的確なデッサンによる作品は素晴らしいものがあります。
素描とか油彩やグァッシュやパステルを使って描い作品が観たかったのですが、本当に僅かなものでした。

そういう作品の特徴は、透けて見えるような筆致の線描画です。
恐ろしいほど人間の内面を捉えています。

キスリング展を観たときに思ったのですが、後世に名が残るような画家は今までにないような、まったく新しい「作者独自の描き方」をしているのです。
ロートレックもそうです。
薄塗り・筆致の面白さ・線描・油、グァッシュ、パステルなどを混合画といった特徴があります。

愛知県美術館の立派な会場を使ったのですが、ポスターばかりが目だって、肝心の肉筆画が少ないために、ロートレックの持ち味が出せなかったのは残念でした。