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熟語の読み・一字訓読(実践問題その22) 斂 抉

2014年09月28日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
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熟語の読み・一字訓読(実践問題その22)です。回答はマウスを動かせば、すぐ見られるようにしてあります。参考までに、末尾に、解説や周辺知識等を記載しています。当面、1級対象漢字から整理していきます。

問題1 「斂」 ①斂翼(レンヨク) - 斂(お さ)める  ②斂糴(レンテキ) - 斂(あ つ)める  ③斂袵(レンジン) - 斂(ひきし)める
   ④(訓読みで) 沙丘鉅鹿を去ること、斂(ほ ぼ)三百里・・・

問題2 「抉」 ①抉眼(ケツガン) - 抉(え ぐ)る   ②抉開(ケツカイ) - 抉( こ )じる

<解説(周辺知識等>↓お世話になってる我孫子図書館/大漢和・字通ほか漢字辞書類はほとんどあります・・・大したもんだ(^^)


問題1 斂:レン、おさ(める)、あつ(める)、ひきし(める)、ほぼ
①斂翼:翼をおさめること、飛ぶことをやめること。同様の使い方で「斂吻(れんふん):物をいうことをやめること」。他に、「斂衾(れんきん):屍体を蔽う衣のこと」・・・しまう、かくす意のようですが、対象内訓読みで強引に読もうとするなら「おさめる」意・・・。他に、斂葬:死体を棺におさめ土の中に埋葬すること、斂殯(れんひん):遺体を棺に納めて一定期間安置すること 、斂祭(れんさい):火葬場の炉の前で故人と最後の別れを告げる 儀式のことで、僧侶が読経を行うこと、(なお、亡くなって2日目が小斂、3日目が大斂だとか・・・)、変わったところで、「殯斂地(ひんれんち)」:珍しい陵墓の形態で仮埋葬所のこと。更に、「斂汗法(れんかんほう: 慢性の汗や寝汗などを 止める方法」という用語もありました。

②斂糴:米価が安いときに買い上げる(あつめる)こと。四字熟語「糶糴斂散 (ちょうてきれんさん) 」で有名ですね、四字熟語を分解すると、「糴斂」と「糶散」。この「糴斂」(=斂糴)のほうの意味です。「あつめる」意の熟語はたくさんあります・・・苛斂、聚斂、税斂、籍斂、賦斂・・・。
四字熟語も多いですね、「横徴暴斂」「苛斂誅求」「聚斂之臣」「賤斂貴出」「賤斂貴発 」「簇酒斂衣」「頭会箕斂」・・・。

③斂袵:襟をただす、身なりを整えること。整襟。また、拝礼するさま。他に、収斂:ひきしまること 、太極拳用語で「掖胯斂臀=鼠蹊部を収め、尻を締める」、「斂臀(れんでん)=お尻を内側に収める」なども「ひきしめる」意かと・・・。また、「斂束(れんそく)」も引きしめる意かと・・・これについては後記<周辺知識等①>参照

④斂(ほぼ):問題文「沙丘鉅鹿を去ること、斂(ほぼ)三百里・・・」は「史記・趙世家」にあり。大漢和より引用。他に、「斂昏(れんこん)」も該当するとしたいですが、これについては後記<周辺知識等②>参照。

<周辺知識等①>「斂束(れんそく)」について
菜根譚に「・・・学者有段兢業的心思、又要有段瀟洒的趣味。 若一味斂束清苦、是有秋殺無春生。 何以発育万物。 ・・・」という一節あり、例によって他人(ひと)の解釈を借用すると、「学ぶ者は段の競業の心思あり、また段の瀟洒の趣味あるを要す。若し一味に斂束清苦ならば、これ秋殺ありて春生なきなり。何を以てか万物を発育せん。」→「道を学ぼうとする者は、自らの姿勢を正し、慎む気持ちがなければならないが、それと同時 に一面では物事にこだわらない洒脱な精神も必要である。ひたすらに厳しく自己を律し困苦に耐えるだけでは、秋の冷気が万物を枯死させるようなもので、万物を育てる春の暖気がない。これでは、どうして万物を発育させる事ができようか。」・・・斂束:厳しく自己を律することから「ひきしめる」意かと。(ちなみに、字通・大漢和にはこの熟語は見当たりませんでした)
<周辺知識等②>
「斂昏」:黄昏(コウコン、たそがれ)のこと。宋の蘇軾の詩「仲殊の雪中西湖に遊ぶに次韻す、二首」の中に、「水光瀲灧(れんえん)として、猶ほ 碧を浮かべ、山色空濛にして已に斂昏」とあり。この「斂昏」について、字通・大漢和ともに訓読みでの意味を載せていないので、「昏を斂(あつ)める」から黄昏なのか、「斂(ほぼ)昏(くら)い」から黄昏なのか判然としません・・・できれば「ほぼ」の意のほうで採ったほうが面白いと思うのですが、やはり、これは「あつめる」意のほうが妥当なんでしょうね・・・。
<周辺知識等③>「斂」を調べていたら、以下のようなものを見つけました・・・ご参考まで。
五斂子(ゴレンシ)」:カタバミ科の常緑低木。・・・甘味と酸味の種類があり、甘味のものを食用にする。東インド地方で栽培。羊桃(ようとう)。←当て字の「羊桃(いらくさ)」とは違う。*果実は5本の翼状の稜をもち・・・、横断面は五角の星形をしている。中国では羊桃といい、また果実の形から五斂子(ごれんし)と呼ばれスターフルーツともいう。五稜の黄緑色の果実は特異な美しさがあって、熱帯では広く生食されるし、ピクルスにも利用される。…
白斂(ビャクレン)」:カガミグサは別名 ビャクレン (白斂)と称され、漢方生薬として使われる。

問題2 抉:ケツ、えぐ(る)、こ(じる)
「抉」には、「えぐる」「こじる」「くじる」の意があります。また、大漢和によると「あばく」という読み・意味もあるようです。冒頭3つの読み方の意味は、広辞苑・電子辞書によれば、
「抉(えぐ)る」:①刃物などを突き刺して、まわしてくりぬくく。②・・・③相手の弱点や隠されている事実などを容赦なく突く。
「抉(こ)じる」:①えぐる。また、棒などをあてがってえぐるようにする。②異議をはさむ。抗議をする。
「抉(くじ)る」(対象外のよみ):①うがつ。えぐる ②えぐって中にある物を取り出す ③穴の中に棒状のものを突き入れてかき回す。
となっており、微妙に異なります。問題は比較的わかりやすい熟語にしましたが、以下の熟語は「えぐる」でも「こじる」でも読めるものもあります。前後の文章・文意の動作・や態様によって読み方は変わると思われます。ただし、問題では送り仮名でわかります、「る」と「じる」ですから明らかですね(^^)
<「えぐる」で読むと思われる熟語>
「剔抉」「抉剔」「爬羅剔抉」「抉目=抉眼」
<「えぐる」でも「こじる」でも読めると思われる熟語>
抉出(ケッシュツ)」:大漢和では「くじり出だす」、「抉入(ケツニュウ)」 *抉入には訓読みで「抉入石斧(えぐりいりせきふ)」がありますので、どちらかといえば「えぐる」意か・・・。 「抉耳(ケツジ)」:清聴する(字通) 「抉択(ケツタク)」:選択する(字通)  「抉毀(ケッキ)」:くじりやぶる(大漢和)
<「こじる」で読むと思われる熟語>
「抉開」:くじる開ける(大漢和)、こじ開け(字通) 
<「あばく」意が強い熟語>
抉摘(ケッテキ・ケツテキ):隠れたものを暴き出す、えぐり出す」、「抉奥(ケツオウ):奥深いところをあばきだす。」
<その他、現行訓読みではないもの>
「抉拾(ケッシュウ)」:「抉」は「ゆがけ」(=決)、「拾」は「ゆごて」。「決拾」に同じ。


👋👋👋だんだん厄介なことになってきた(^^;) 漢字学者でもなんでもないのに・・・(ーー) 👋👋👋


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