梅香のつれづれ日記

今井町から保存活動の情報をお知らせします
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小学生が「旧米谷家住宅」のかまどを使った民家でのおもてなし体験

2015-02-23 21:13:47 | 卒業茶粥
日頃から今井町町並み保存会では各種催しを通じてこの町の知名度と保存の意識づくりに努めていますが、お陰様で日本はおろか、世界にもその知名度は向上してまいりました

ただ、地元奈良での知名度はまだまだ低いもので残念に思っています

我々はこの素晴らしい町を次世代に引き継いでもらう子供たちにも、今井町の素晴らしさをいろいろな角度から啓蒙してきました

その一つに社会科の副読本で4年生に町並みの勉強をしてもらって、今井町の案内をしたり、写生大会を町中で実施してもらったりと、小学校と連携した活動もたくさん行っています

そして来年からは県下の小学6年生の道徳の授業でも、今井町の茶粥を題材に取り入れてくれるようになります


子供たちが到着前に会場の準備をする今井町町並み保存会のメンバー







子供たちを班別に分けて担当の説明
作業が始まる














井戸と釣瓶には全員興味深々




今回の催しは平成20年から始めている今井小学校6年生による重要文化財の「旧米谷家住宅」のかまどを使った民家でのおもてなし体験で、今年も行ったところ、校長先生父兄も含め36名の参加がありました


そして今年は奈良教育大学の学生5名も現場教育の一環として研修に参加しました


 
出来上がった茶粥膳をふるまう人、いただく人、ご互いに感謝の気持ちが伝わる一瞬





満ち足りた時間を共有した子供たち、父兄、先生、そして今井町町並み保存会のみんなは次回を期待してお別れしていきました

今井町町並み保存会恒例の県外研修

2015-02-22 22:24:21 | 県外研修
2月14日今井町町並み保存会主催の県外研修を大阪の平野郷で開催した 今回のきっかけは平野区まちづくりセンターの 仁戸田 一樹さんが、数年前に私を訪ねてこられ、平野でも着物をきて町を歩きたいという話から交流が始まり、ブログで今井町の茶行列を紹介してくださったところからご縁が深まって、今回の企画となった
当日は平野の町づくりを考える会、平野を着物で歩こう!実行委員会 など地域の方たちが沢山対応してくださって、有意義な1日を過ごすことが出来た

行程は
2月14日(土)参加者 今井町より26名は8時30分華甍を出発

9:30 大念佛宗本山寺に到着 仁戸田さんはじめ沢山の方に出迎えられ


塚原さんのガイドで午前中の町歩きに出発した


町歩きの最初は地蔵めぐりから


そして古民家めぐり




そして元気な商店街めぐりと続く


午前中の極めつけは平野郷町づくりの原点となった阪堺電車平野駅の廃止に伴う駅のお葬式、旧駅舎後を大事に守る平野の気質を垣間見た




今回の目的は平野郷の歴史と文化、まちづくりを学ぶ事と着物で町歩きを推進する今井町と平野の交流にある
11:20 平野商店街にある 六ヶヶ屋(ろくろくやや)という美人ママの経営する元気な食堂で昼食~12:00



お寺の多い町並みを由緒などを聞きながら交流会場へ




平野郷で一番歴史の古い全興寺・おも路地2Fをお借りして交流会が始まる 









映像De平野紹介と意見交換などでそれぞれの「町思い」を厚く語り合えた

14:00 まちあるき・午後の部出発








杭全神社到着
 

大阪府指定の天然記念物クスの大木


一路本殿目指して




36歌仙の歌額のかかる蓮歌所に特別拝観させていただき、説明をいただく


庭越しに平野環濠を望む




坂上田村麻呂所縁の名家子孫、末吉家当主も合流して下さり記念写真


末吉家のガイドをしていただく


15:30 大念佛寺に帰着 本堂に上がらせていただき、読経の流れる中、しばし黙想! 最後の塚原さんのガイドを聞く 



解散、別れを惜しんで帰路につきました

中世に商都として栄えた平野郷は坂上田村麻呂の2男、広野麻呂が朝廷から賜ったこの土地を収めたことより「広野」が「平野」になまったのがその語源と言われるそうだ
その他、真田幸村が大坂夏の陣で徳川家康を追い詰め、敗走する家康を道明寺まで後退させた戦陣の地としての平野など、多くの史跡を持つこの地を改めて見直し、郷土愛を深め、町づくりに邁進される皆さんの熱気を強く感じた視察旅行であった

  

小学4年生の今井町研修 今回は奈良市から…  

2015-02-11 20:35:49 | 小中学生
2月10日、奈良市の済美南小学校4年生が今井町を勉強しに訪問し、今井小学校3年生がこれを出迎え、旧米谷家住宅で交流会を行って両校が親睦を高めた

11時35分、今西家住宅の環濠前にバスで到着した濟美南小学校4年生41名と先生4名を今井町町並み保存会の私と工藤事務局長でお出迎え、2班に分けて町案内をしながら旧米谷家住宅へと進む






奈良県下の小学校4年生は社会科の副読本「奈良県の暮らし」日本文教出版で今井町のくらしを学習しており、今井町を勉強している県下各地の学校が今井町町並み保存会を訪ねて町並みの勉強をする回数が増えてきた2011年 浮孔小学校 2012年 香具山小学校 2013年晩成小学校 2014年平群北小学校と毎年訪れて今井町を実際に体験学習してくれている
もちろん地元の今井小学校は2008年から6年生に卒業茶粥体験を通じて毎年民家の生活を体験してもらっているほか、学校でも全校生による町中写生大会や先生方の今井町学習などを熱心 に取り組んでもらっている












米谷家住宅では大勢の今井町町並み保存会メンバーがかまどに火を入れて温かいお茶を大量に沸かせてまってくれている


12時 子供たちは座布団の前に据えられたお膳に弁当を広げてかまどで沸かした大和高原の自然栽培茶茶を添えていただき、弁当を作ってくれた両親などに感謝しながら昼食を楽しんだ


今井町を見学に来る子供たちはいつも弁当持ちで、公園で食事をするつもりで計画されているので、今井町町並み保存会が受けた依頼には、すべてかまどで炊いたお茶を提供するようにしているが、引率の先生方、子供たちみんなびっくりして感嘆の声をあげてくれた






 きっと今井町を深く心に焼き付けて大きくなっても思い出してくれることだろう また、旧米谷家は座敷に上がるのに段差が大きいのだが、みんなしっかりと靴を並べて上がってくれるのは素晴らしい これは大人も見習いたい




食事の後は今井小学校で給食を済ませた3年生が合流して交流会が始まった
みんな今井町のことを事前に勉強していて、結構いい話し合いをしていたなと思う








毎年、奈良県下の小学校4年生が今井町の勉強をしてくれているのだから、こんな頃から今井町を訪問して自分の目で見、学習してくれた子供たちはきっと、かなりの子供たちがこの町を好きになって大人になってくれるに違いない

気長に明日を見つめられる子供たちの育成に関われることはうれしいことだ


帰り際にみんなが本当にありがとうございましたとお礼を言ってくれて、お世話した今井町町並み保存会のメンバーも感激して子供たちを送ってくれた


奈良のお茶の本が出版されました

2015-02-01 20:24:21 | マスコミ
この度、裏千家「淡交社」から「奈良・大和路・茶の湯逍遥」 神津朝夫著が発行され、記念本の贈呈を受けた

その帯には「奈良の茶を知らずして茶の湯は語れません」とある
さすがに今回は掲載していないが、空海が茶を持ち帰り、大和高原(佛隆寺領地)に植えた話や村田珠光と武野紹鴎、を語り、今井町の町おこしに今井町出身の今井宗久をシンボルにして「茶行列」、「お呈茶席」、「名工の館」などのお茶にまつわる催事を立ち上げた今井町並み散歩も今年は20年目になります
その間、淡交社さんには再々今井町のお茶を取り上げていただき、平城遷都1300年の年には天地人の作家火坂雅志氏を講師に今井宗久と今井町の講演をしていただき、NHKで取り上げていただいたことなどが下地になっていると思います
この本も、平城遷都1300年祭の行われた2010年に月刊「淡交」誌に1年間「南都茶の湯逍遥で連載されてきたものを増補し、再編成した単行本として発行されたもので、当時の今井町の記事も再編して盛り込まれています、そして今回は今井町並み散歩の茶行列も紹介していただけた内容で、111ページ、1600円+税で発売されることになった

内容は大きく3つに構成され
茶の湯以前の奈良と茶(奈良~鎌倉時代)
茶の湯の市立成立と奈良(室町~織豊時代)
奈良に広がる茶の湯(江戸時代以降)
となっている



私が監修させていただいたのは当然「今井町と今井宗久」の部分であるが、

今回は古田織部らとともに郡山藩士で茶人であった尾崎喜助(町人になって今井町の総年寄りナンバー2、尾崎家3代目)が公式の本で多分初めて記していただけたと思うが、宗久のほかにも著名な今井の茶人として名前が出てきたのがうれしい