梅香のつれづれ日記

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今井町の行者堂改修は民間の浄財で

2013-03-22 22:44:04 | 発掘、修復
重伝建地区今井町は中世の町並みが残る貴重な文化資産として全国的にも有名です




この町は1300年代に奈良・興福寺領として初めて文献に見えることから、春日神社はその頃にはすでに存在したものと思われます




現在、その境内には春日神社を主祭に、7つの摂社と常福寺・行者堂の2堂がまつられています


これらはすべて重要伝統的建造物群保存地区内にあり、条例により守られていますが、行者堂は天台宗多武峰末に属していたものが、明治の廃仏毀釈で廃寺になった常福寺の一堂で、役行者をお祀りし、毎年7月7日に行者講が中心になって護摩木が焚かれ、今井町の各戸の安全が祈願されます


その行者堂の痛みがひどく、修理が必要の旨が行者堂を管理する行者講からありました
今井町の各種団体はこの問題を住民みんなの課題ととらえ、修復費用の確保に立ち上りました


かねてから私は自分の町は自分で守るを基本方針にして、今井町町並み保存会の活動をしてきましたが、いま、小さなお堂を中心に、今井町のみんなが修復基金を集めようと意志が統一していることは大変意義の深いもので、これまで行政に任せて補助金を申請することが町づくりや、地域づくりの定番のようになってきた体質からの脱皮は、大きな価値を生み出すと確信致します
今回の工事も行政からの補助金が投入されますが、その数倍の基金を町民から賄うため立ち上がったのです
官民がうまくかみ合った資金繰りがなされていると思います




3月16日、いよいよ改修工事に向けての準備、行者様や不動明王様のお性根抜きが厳かに執り行われた
重伝建地区今井町の保存問題は単に今井町だけの問題ではなく、広く日本中に認識をしていただきたいもので、この機会を通して各界で御活躍の諸氏にもご理解、ご賛同をいただき、補助金ではなく民間の浄財をお願い申しあげたいものです