梅香のつれづれ日記

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帰国間近の羽田…書道と茶道の発表会

2013-01-27 00:16:10 | ハネダ
1月16日(水)、我が家の初釜はハネダの書道と茶道の1年の成果を見ていただく発表の場とした


お茶席にお呼びしたのは1席10人づつ3席で30人、


例外に飛び入りでお祝いに駆けつけて下さった方や、

書道の作品展だけ見に来て下さった方30人ほど



とお手伝いの方などで平日なのに70~80人の方が関わって下さった

志を高く持つ若手の国会議員、教育長、市の幹部職員の方やN銀行の支店長などの要人、




町の方々やお茶の先輩、書道の仲間、


と広い顔ぶれが参加していただけたが、そんな方々に臆することなく、堂々としたお手前を披露したり、


見ていただいて決して恥じない作品を作り上げたハネダの努力に最大の拍手を送りたい


玄関を入ったお客様は、まず、ガレージに展示したハネダの水墨画、書、そして来日からの1年を物語る写真、メッセージなどをご覧いただいて、待合へ、
1席ごとにお呼びした方たちがお揃いになるとお席に、

そしてハネダの登場


当日はtetsudaさんのお父さんから頂いたはかま姿で、インドネシアに還っても手軽に使える盆手前を披露しました
お客様の応答にも答えながらのお手前は堂々としたもので、師匠の前本先生も親父の私も謙遜しながら内心鼻高々、うれしいものでした(良く稽古してくれたものね)


3席目のお客様をおもてなししながら、過ぎし1年を思い起こして話し合っているとき、良くやったねと言うお客様のひと声に万感迫るものが来てつい潤んでしまいました
ハネダにとっても、私たちにとっても今日は一つの大きな節目の1日になるでしょう




奈良県内留学生の日本語弁論大会でハネダは留学の思いを語る

2013-01-06 00:09:47 | ハネダ

第22回 奈良県留学生・研修生の日本語による体験発表会が昨年12月22日(土)天理教校学園で開催された
応募資格は奈良県内に在学している留学生(大学(院)、高専、高校生)並びに県内施設で研修中の研修生を対象とする日本での体験を日本語で語る弁論大会で、今回の参加メンバーは大学(院)生6人、高専2人、高校生7人の15人で、我が家にホ―ムステイして息子と呼んでいるハネダ(インドネシア高校2年生)が留学中の高取国際高校から推薦を受けて出場した


スピーチの持ち時間は5分、それぞれ日本での体験や、気付き、など色々な視点からの日本感を発表するのを聞いて逆に気付かせられたことが多かった
限られた範囲の中での発表会だったが、日本人でない視点からの日本を見ているだけに貴重な気付きをもらい、これは観光に従事する者など、もっと広い範囲の人に聞いてほしい内容が多かった

その中で我が家のハネダの発表は特に異彩を放っていた
発表内容の制作過程は、まずインドネシア語で原文を作成してこれを英文に直したものを担任の先生に日本語に訳してもらったものだ

当日、早めに出かけたハネダは、先生に申し出て、制服を羽織、袴、白足袋と草履姿に一人で着替えての登場、遅れて会場に到着した私はちゃんと一人で着物を着こなしていることに一安心


茶道にのっとった御礼をするとおもむろに発表を始めた


ハネダの発表内容は大きく4段階に分けることが出来る

最初は日本に興味を持った動機から弁論は始まる
私の名前はハネダです。私は黄金の国インドネシアから来ました。
私は以前にある映画を見ました。すばらしい映画で私の生き方を変えました。また、本当の人生の意味も教えてくれました。その映画は「ラスト・サムライ」でした。タカモリやその他の偉大な人の話でした。
タカモリは、「サムライにとって強さや熟練が重要ではない。サムライは本当の生き様を見つけることを学び、生き様を見つけなければならない」と言っていました。

また、私には大きな疑問がありました。
第2次世界大戦と広島・長崎の原爆の後で、どうして日本人は元気を取り戻せたのでしょうか。どうして日本経済が他の国より発展したのでしょうか。どうして日本人は自分の国の文化に自信を持っているのでしょうか。
宮本武蔵の「五輪書」が答えをくれました。日本人は「武士道」とともに生きているのです。サムライは武士道を子供につたえ、現在にいたっているのです。

 「恥よりも死を」という考え方は私の生き方に大きく影響を与えました。私が日本に来た理由は、日本人が武士道の精神とともにどのように生活しているか知りたかったからです。


来日間もない頃に彼が持参したインドネシア語の1冊の本に宮本武蔵の百舌鳥の図を見つけ、水墨画で模写を教えてやりながら話をしていると、「武士道」と「五輪の書」という本を持ってきていることが解った
そして来日して9カ月、今日までの彼から見た日本感をインドネシアで抱いてきた武士道と生活の中から重ね合わせ的確に見抜いています


1 サムライは、生き方や集団の規律をまもり、それが何年もの間に日本社会のすみずみまで広がり、いまの日本人の考え方に影響しています。
2 この規律は「武士道」として知られていています。「ぶし」とはサムライのことで、「どう」とは道のことです。このサムライの道は、忠誠心、正義、自己犠牲、そして名誉のような価値のつながりが基本になっています。
3 武士道は、日本社会、日本人の心、家族や企業、そして、今でも一般に存在しています。
4 日本人は忠実で、正直で、誠実で、仕事でも訓練されています。昔、サムライがそうであったように、日本人は規則を守り、毎日自分を高めようとしています。
5 学生は、先生に忠実で、労働者は会社に忠実で、多くの人たちが家族や会社の名声をまもろうとしています。


この考え方の基本と成しているのは彼なりに日本人の生活の場にも「道場」があると考えたようです
6 武士道は2つの宗教の教えに影響を受けています。それは、禅宗と儒教です。
7 禅は6世紀に中国から来ました。そして儒教も12世紀に中国から来ました。
8 禅は、心と体が一体になることと、心を真っ白にする心の平和の状態をもとめることで、悟りを達成することを目的としました。
9 たとえば、私が今習っている「茶道」や「書道」です。どちらにも「道」の言葉がついています。
10 サムライについては、禅の修行と理解が戦いでは心を落ち着かせ、我慢強くさせました。また、もっとひどい状態でも怖れに負けることはありませんでした。
11 このことで、私が出会った日本人は静かで我慢強いのもわかります。
12 人間関係は儒教が社会の基礎になっています。先祖や知人や目上の人を尊敬しなければなりません。
13 現在でも日本人は心に儒教をもっています。なぜなら、家庭でも職場でも目上の人を大変尊敬しているからです。
14 「忠誠心」はサムライの一番大切なものかもしれません。サムライは君主に忠誠であろうとし、毎日君主のために命を危険にさらしていました。
15 サムライは人生に後悔を残すことがなければ、死ぬことを気にはしませんでした。サムライはいつも忠誠であろうとし、恥ることがないようにしていました。
16 「恥よりも死をえらぶ」はサムライの考え方でした。ほかにも、武士道には「正義」「哀れみ」「礼儀」「誠実」の考えがあります。


そして今後の自己の方向性を述べて締めています


以前、両親が私に言いました。「インドネシアが与えてくれることを望んではいけない。問題は、おまえがインドネシアに何ができるかだ」
 今はその問題に答えることができます。
「武士道の精神」でインドネシアの人々の道徳心を高めよう。
みんなを元気づけよう。そしてインドネシアをもっと良い国にしよう。
私はインドネシアの人たちに日本での体験を伝えるつもりです。

ご静聴ありがとうございました。



滞在9ヶ月目の彼の原稿を初めて見せてもらったときに彼の日本感は我が家と学校から広がった彼が関係した中での出来事で、我が家を中心にして彼が見た姿に改めて背筋が伸びる思いがするとともに、私の信念と、それを支えてくれる周辺環境にあるべき道が残っていたことを確信しました