@じゃんだらりん

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のぼうの城/著・和田 竜

2008-02-16 | 【読書】歴史
「この城、敵に廻したが間違いか」

天下統一を目指す秀吉の命を受け、関東の雄・北条を従わせる為、2万の兵を率いて進軍する石田三成と、その親友・大谷吉継。

その途中に現れたのが、わずか2千の兵が守る「忍城」。
 
だがその城が三成軍の前に強固に立ちふさがる。 その城主を成田長親。

「のぼう様」と呼ばれ、誰よりも領民に愛された、でくのぼうの主人公である。

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戦国小説の主人公も一巡したような感じで、最近では、マイナーな地方大名や一家臣に過ぎない人物で、以前なら主役にならない人たちが表にでた作品が目立ちます。


この小説の主人公・長親は、普段は領民の百姓仕事を手伝う優しい殿様。でも慣れないから失敗ばかり。

そのまま太平の世の中が続けば、"でくのぼう"をもじって”のぼう様”と言われる一生で終わった人物だろうが、豊臣秀吉の小田原攻めが人生を一変させる。

女傑で名高い「甲斐姫」の伝説だけが一部で有名だが、この忍城の徹底抗戦を支えたのは、実際はサムライたちだったから、そんな歴史の裏方たちにもスポットライトが当たる小説は個人的に嬉しいし、読んでいて楽しい。


この長親以外にも傑物ぞろいのこの城を敵に回して失敗し、その後「戦下手」のレッテルが貼り付けられた石田三成はお気の毒。

参謀に大谷吉継がついても落せなかったんだから、誰がやっても失敗してたんじゃないかなあ。「相手が悪かったね」としか慰めようがナイ。


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