荒木 それにしても、初めてこのタイトルの中の二文字「杜撰」を目にした時は、いくら何でも天下の筑摩に対して失礼千万、物騒だと思ったが、賢治によっていろいろと儲けてきたはずの同社が、神聖な賢治の終焉に対してまでも、常識的にはあり得ない、どこの者かも判らない農民との面談を、典拠も不確かなままに、あたかも事実であるかの如くに校本全集に書いてあるということを知って、まさにそのものズバリの表現だと今は納得 . . . 本文を読む
一週間後、三人は集まって、新著『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』に関してこんなことを話し合った。
吉田 今まで鈴木が出版した本によって、特に前作の『筑摩書房様へ公開質問状 「賢治年譜」等に異議あり』によって、『校本宮澤賢治全集第十四巻』や『新校本宮澤賢治全集』にはいくつかの「杜撰さ」があるということに僕も気付いたが、何と賢治終焉前日の「現定説」にまでもそれがであるという . . . 本文を読む