早大探検部出身の作家群で最年長だと思う西木氏の本、「後輩」作家の誰かが推していたので読んでみた。と言っても後輩たちの作品とは何の関連性もない。単なるきっかけに過ぎないが、それもまた一興。
旭川の生んだ悲劇のエース・スタルヒンが絡む表題作、「軍艦島」と言えば解る人もいるだろう長崎の端島に生まれ育った女性が、流れ者のような鉱夫と知り合って結婚し、炭鉱が斜陽となる頃に夫の故郷・岩手は八幡平の麓の山村に引っ越しての話。著者の出身地である秋田阿仁のマタギの話、タイから三陸の港町に出稼ぎに来た女性の話、計4編。
いずれも哀しく、重苦しい読後感。世の中、やはり不幸なできごとはあるものだ。これらの作品の特徴は、最後の一作を除き綿密な下調べがされた上で書かれたそうで、作品の細部をしっかり記述することで物語のリアリティが出ているのだろう。この作品に書かれたことで、舞台となった場所に目を向ける人がいたなら著者は喜ぶのだろうか。
2019年3月20日 通勤電車にて読了
旭川の生んだ悲劇のエース・スタルヒンが絡む表題作、「軍艦島」と言えば解る人もいるだろう長崎の端島に生まれ育った女性が、流れ者のような鉱夫と知り合って結婚し、炭鉱が斜陽となる頃に夫の故郷・岩手は八幡平の麓の山村に引っ越しての話。著者の出身地である秋田阿仁のマタギの話、タイから三陸の港町に出稼ぎに来た女性の話、計4編。
いずれも哀しく、重苦しい読後感。世の中、やはり不幸なできごとはあるものだ。これらの作品の特徴は、最後の一作を除き綿密な下調べがされた上で書かれたそうで、作品の細部をしっかり記述することで物語のリアリティが出ているのだろう。この作品に書かれたことで、舞台となった場所に目を向ける人がいたなら著者は喜ぶのだろうか。
2019年3月20日 通勤電車にて読了