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大人の知力調査が示す日本の実力

2013年10月17日 | 全般・イベント

日本人の「読解力」「数的思考力」は1位、「IT活用力」は10位。OECDが世界24カ国・地域の16~65歳を対象に実施した国際成人力調査(PIAAC)の結果が公表されました。この調査は「社会生活の中で成人が求められる能力の習熟度を測定した初めての調査」であり、今後も調査を実施するかは未定とされています。


 
調査によると、「読解力」「数的思考力」では、他の国・地域と比べて中上位層が厚く、トップ層や下位層が少なくなっており、日本の教育の特徴がよくでています。「IT活用力」に関してみると、意外にも、日本の成人がパソコンを使用する頻度は参加国・地域の中で最低水準だそうで、10位という結果にもつながっているのでしょう。


 
「読解力」「数的思考力」でトップとなった要因の一つとして、企業の人材育成が挙げられています。日本では研修施設を擁する大企業が多く、そうした企業は企業内研修が充実しています。以前勤務していた部署は企業研修を多く手掛けていたため、様々な企業の研修施設を訪問する機会がありました。単に研修を実施するだけではなく、宿泊施設が完備されている研修所もあります。ある企業では、新入社員200名が泊まりこみで、朝から晩まで4月の一カ月間を研修にあてます。社会人として必要な常識やマナーから実務にいたるまで、みっちり叩き込まれます。また、人材開発部門を独立した株式会社として運営している企業もあり、一日中様々な研修が組まれていました。90年前後と比較して減っているとは言え、アメリカを中心とするビジネススクールへの企業派遣制度を持つ企業もいまだ多く、海外の企業と比べて研修制度は整っていると言えるでしょう。


 
ただし、全ての企業が優れた研修制度を持っているわけではありません。様々な出来事に関心を持ち、自ら幅広い教養を身に付けていくことが必要で、国際社会で活躍するベースにもなります。15歳児を対象とした学習到達度調査(PISA)における日本の順位は必ずしも高くはなく、今回のPIAACも継続して実施する場合、いずれPISAの上位グループに逆転されることになるかもしれません。特に今回の調査では、高い教育水準を誇るシンガポールや、PISAで常に上位をキープしている香港などが参加していないようで、こうした国や地域が参加した場合でも、日本がトップを維持していけるのか、興味があるところです。
(maw)

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