若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

蕎麦とワインを満喫!

2006年02月18日 | 飲んだり食べたり
FM福岡の取材を終え、菊池・旭志村から帰ってきて正直けっこう疲れています。・・・が、究極の蕎麦とワインを楽しみましょう、とお誘いを受けていましたので行って来ました。

お誘い頂いたのはS医院を経営するS院長先生。3月に僕の経営するレストランカフェ「ホイリゲ」で「蕎麦と鮨とワインの会」をすることになっていて、先生がそこで蕎麦打ちをご披露して頂く事になっているのです(ちなみに鮨は福岡・舞鶴の名店「吉富寿司」の吉富さんが握ってくれます!)。その前打合せで、先生がご自宅で蕎麦を打ってふるまってくれると言うのです。以前から先生のご自宅に蕎麦打ち小屋があることや、先生のワインコレクションはもの凄いと耳にしていましたので、楽しみに行きました。

…驚きました…
…打ちのめされました…

僕は結構、蕎麦好きです。東京で蕎麦をおぼえて、全国各地(信州・奈良・山形・狭山などなど)へも美味い蕎麦を食いに行ってきましたが…、これほど美味い蕎麦を食したのは初めてです。

小麦粉をつなぎに使う二八蕎麦と比べ、蕎麦粉100%の十割蕎麦(生粉打ち)は香りの良さはあるけれど打つのが難しいとされていますよね。僕は実はあまり十割蕎麦は好みません。本当に上手に打てている十割ってあまりないから。確かに香りは良いのだけれど、歯ごたえ喉ごしがゴツゴツして好みじゃないんです(それが好きという人はいいのですが)。

でも、先生の打った蕎麦は…!
なんじゃこりゃぁ!?(優作風に)

十割更科の手延し手切りの麺なんて、いったい誰が打てるのでしょうか?
水まわしから切り終えるまで隣で見せて頂きながら、とても信じられませんでした…。

先生曰く。
「僕はプロじゃない。だからこんな蕎麦が打てるんだ。
 こんな蕎麦を採算を考え毎日仕事として打つのは無理だもの」
なるほど。

ひとしきり蕎麦を楽しんだ後は奥様の手料理(これも絶品)とともにワインを頂くことに。先生のご自宅は地下に驚くべきワインセラーがありました。そこはあのバブル期に僕が勤めていた西武百貨店「酒蔵」のワインセラーを遥かにしのぐワインたちが眠っていたのです…。

最初にコルクを抜いたのは、テタンジェの「コント・ド・シャンパーニュ'95」。最初からコレですか?いいんですか? ああ、美味し…。シャルドネのブラン・ド・ブランらしい爽やかさにきめの細かいクリーミーな泡、軽やかなのに余韻が長い…。ああ、美味し…。

次にブルゴーニュかな、と先生がつぶやく。ブルゴーニュ、大好き!何をあけてくれるんだろうと眼が潤んでしまいます。セラーから上がってきた先生が手にしていたのは…ドメーヌ・ルロアの「シャンボール・ミュジニー'84」。いいんすか?いいんすかぁ! 色合いはかなりオレンジがかり、少し飲み頃を過ぎてるか?と思っていたらしばらくたって…何だか鮮やかな香りが戻ってるぞ…あれれ不思議、ああ、美味し…。

今日は楽しいから、最後はこれにしましょう。と先生が持ってきたのは…ペトリュス'84…。もう叫ぶ力も残っていません。先生ありがとうございます、15年ぶりにペトリュス飲みました(泣)。84年は不作の年とされてるけど、なんのなんのペトリュスにはそんなの関係ないもんね的な力強い香りがぐいぐいと迫ってくる…。今飲む84年ボルドーでこれ以上のワインってあるのか?ああ、美味し…。

シアワセな夜を過ごしてしまいました。
あんまり美味しかったから、長々と書き込んでしまいました。
自慢っぽく聞こえたらゴメンナサイ。
でも本当に美味しかったんデス。。。

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2 コメント

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油断してたら… (すぎちゃん)
2006-03-01 11:22:21
たくさん更新してますねー。

なんだかこのワインの話、心の中の様子がものすごい伝わってきて、笑ってしまいました。

おいしかったんでしょうねぇ…。

私は下戸だけど、合うチーズとのワインなら、口にちびっと含んでおいしさを感じることは好きです。
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何度も励まして頂き… (十四代目)
2006-03-01 11:37:08
すぎちゃんさんには更新が滞っている間、幾度も励まして頂きました。ああ、僕のこんなブログでも読んでくれてる人がいるんだ~、と勇気付けられました。



ようやく更新再開しました。マイペースで行きたい、と思ってますが根が真面目なせいか間が空くと不安になったりして…。すぎちゃんを見習って楽しみますね。
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