若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

稲盛和夫氏の講演

2005年06月01日 | 近ごろの十四代目
福岡盛和塾の主催でひらかれた稲盛和夫氏の講演会に行って来ました。

シーホークのバンケットホールには2,200名を超える聴衆が集まる盛況ぶり。一角には白い夏の制服を着た高校生たちが。150名ほどか。開演前から落ち着きのない様子。どうやら中村学園の生徒らしい。

司会はアサデスでお馴染みの徳永玲子さん。演題は「人は何のために生きるのか」。拍手で迎えられた稲盛氏。意外と張りのある若々しい声で講演を始める。内容はこれまで著書の中で何度となく語られてきたものではあるが、本人の生の声で伝えられると、やはり迫力がある。

…「運命」と言うものが人にはある。人は「運命」と言う縦糸にそって生を歩む。そして「因果の法則」という横糸がある。この「運命」という縦糸と「因果応報」という横糸で織られた「人生」という布を私たちは生きているのです。決められた運命を素晴らしい人生にする。それは、善き思いと善き行いをする、そうしてよい結果が生まれる、ただそれだけのこと。たった一度の人生を素晴らしく生きる「義務」が私たちにはあるのです。「権利」ではなく「義務」です。もし幸せな人生をあゆんでいないとすれば、それはその人が幸せに生きる努力をしていないということです…

淡々と語る口調にどれほどの知恵と経験と念いが込められているのか。。。メモを取るのも忘れ、身震いをしながら聴き惚れていた。

稲盛氏といえど、残念ながら高校生たちには伝わらなかったようである。ほぼ全ての生徒は頭をうなだれ、どうやら眠っていたようだ。こんなに贅沢な子守唄はおそらくないだろう。