若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

萩で維新をおもう

2005年06月22日 | ものおもう十四代目
昨夜のキャンドルナイトの後は、旧知の堀田さんらと湯田温泉の居酒屋で打ち上げ。今日は萩に向かいました。

ご存知の通り、萩は明治維新の志士たちを多く輩出したまち。僕は司馬遼太郎の「世に棲む日日」を読んで以来、高杉晋作のファンなのですが、萩の生家を訪ねました(いいんです、ミーハーで)。思ったより質素な建物(木戸孝允旧宅は凄く立派だ)。武家屋敷が多く残る城下町はとても美しかった。夏の暑い日ざしと静謐な空気。道をゆく小学生たちの笑い声が響く。

あの子供たちは明倫小学校の子供たちだろう。明倫小は吉田松陰も学んだ藩校・明倫館の跡で、驚くほど立派な木造建築だ。こんな町に過ごした子供たちは幸せだなぁ。ここは平成と江戸時代とが奇妙なバランスで共存している。

日本人にとって江戸時代は異郷ほどに遠い。そう感じるほど明治維新を境に日本は歴史の繋がりを失っているように思う。「正しい歴史認識」が話題になる昨今だが、明治以降の戦争を評価する前に、明治維新をもっと学べばいいんだ。

「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも留めおかまし大和魂」
「おもしろきこともなき世をおもしろく(すみなすものは心なりけり)」
松陰も晋作も明治を見ずに散っていった。遺った言葉ではなく、眼に見えぬ生き様にこそ響く心を持ちたいと思った。