若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

若竹屋と作家たち

2004年07月13日 | 読んでる十四代目
深夜特急〈1〉香港・マカオ

新潮社

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田辺聖子さんといえば、昔、若竹屋に来られた事があるんですよ。その時の思い出を文章にして頂いたことがあります。「元禄の酒」という題です。

若竹屋にご縁のある作家の方は結構いらっしゃるのですが、鬼籍に入られている方も多くいます。いま若竹屋の母屋を開放している食事処「和くら野」においで下さると、フスマの落書きが飾ってあります。そこには火野葦平さんの落書きがあります。田主丸を愛し、河童を愛した火野さんがお仲間とこの座敷で酒を呑みながら夜なべ談義をした名残です。

火野葦平・劉寒吉・岩下俊作らとともに「九州文学」を支えた原田種夫も若竹屋について寄稿しています。

沢木耕太郎氏に依頼をされてお中元を贈ったことがありました(関わりがあると言うにはちょっと強引ですが)。

沢木耕太郎の代表作の一つといえば「深夜特急」ですよね。この本を読んだ多くの若者が貧乏旅行に旅立ったことでしょう。僕もその一人でした。

ジョゼと虎と魚たち

2004年07月13日 | 読んでる十四代目
ジョゼと虎と魚たち(通常版)

角川エンタテインメント

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小説を読んで映画は観たくない、と思っているのに「アレをどう映像化するんだろ」とつい観てしまう。それでやっぱり落胆して「カネ返せ~」と何度思ったことか…。

しかし!中にはあります!「いや、これは映画も凄い!」と思うのが。その一つが「ジョゼと虎と魚たち」。田辺聖子の原作です。田辺作品は独特の色気があって好きなのですが、この「ジョゼ虎」も田辺エロティシズムを充分に楽しめるものです(友人には「田辺にエロ?そんな感じ方オカシイ!」と言われたこともありますが)。本は短編集で他の作品もすごく面白い。映画は妻夫木クンと池脇千鶴が主演。

学生・恒夫と足の不自由な女の子・ジョゼが互いに惹かれあっていく過程や、ジョゼのシニカルなのに純情でヤラシイところや、喧嘩なのに可笑しなやりとり、など小説で描かれている雰囲気はそのまま映像になっている。新宿ミラノ座で観たあとに映画を勧めてくれた友人に興奮してすぐ電話しちゃいました。

爽やかで可笑しくてせつない上質のラブストーリーです。これは小説でも映画でも満足できます(DVDは8月6日の発売)

ジョゼと虎と魚たち 公式サイト