ジョゼと虎と魚たち(通常版)角川エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る |
小説を読んで映画は観たくない、と思っているのに「アレをどう映像化するんだろ」とつい観てしまう。それでやっぱり落胆して「カネ返せ~」と何度思ったことか…。
しかし!中にはあります!「いや、これは映画も凄い!」と思うのが。その一つが「ジョゼと虎と魚たち」。田辺聖子の原作です。田辺作品は独特の色気があって好きなのですが、この「ジョゼ虎」も田辺エロティシズムを充分に楽しめるものです(友人には「田辺にエロ?そんな感じ方オカシイ!」と言われたこともありますが)。本は短編集で他の作品もすごく面白い。映画は妻夫木クンと池脇千鶴が主演。
学生・恒夫と足の不自由な女の子・ジョゼが互いに惹かれあっていく過程や、ジョゼのシニカルなのに純情でヤラシイところや、喧嘩なのに可笑しなやりとり、など小説で描かれている雰囲気はそのまま映像になっている。新宿ミラノ座で観たあとに映画を勧めてくれた友人に興奮してすぐ電話しちゃいました。
爽やかで可笑しくてせつない上質のラブストーリーです。これは小説でも映画でも満足できます(DVDは8月6日の発売)。
ジョゼと虎と魚たち 公式サイト
コーフン電話を受けた友人です。
私はあの映画のシビアなところが大好きです。
(一般的に言う)特別きれいな場所や特別すてきな人を描くのではなく、今そこにある当たり前の風景を丁寧に見せてくれるところが大好きです。
表現はおかしいかもしれないけど、ぞっとするほど心のおく~の方をゴリゴリされました。
今でも主題歌のくるりのハイウェイのイントロを想い出すだけで、ぞっとします。
だから大好きな映画だけど、もう1回見るのが怖いくらいです。
映画は短編小説にはないラストについて犬童監督の感性が光ってましたね。あのへんは確かにリアルでシビアだ。
結局のところ別れてしまった二人なんだけど、恒夫が歩いている最中にふいに泣き崩れてしまうシーンでは、もう泣けなかった…、自分と重なりすぎて。で、その後に電動車椅子に乗ってるジョゼが出てくるカットのところで大泣きっすよ(笑)。
乳母車を改造したジョゼ専用車を恒夫が押しながら土手を疾走するシーンとかが思い出されてたまらんかった。
スクリーンで見たい!
この映画がぐっときた理由をひとつだけ挙げてといわれたら、何ですか?
ジョゼの焼く魚。
表面はちょっと焦げ目がついていて、
ひっくり返すと油が網の隙間から落ちて
じゅわっと煙が立つのです。。。
うあ~。
おいしい魚が食べたくなってきた!
今から誰か食べに行きませんか?笑
あのジョゼはぐっと来ました。
多分、初めて恒夫をオトコと意識してそれを認めた瞬間なんかなって。ちょっとジョゼのお箸を持つ手が震えていたような、そんな感じが良かった。