若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

若手蔵元たちのパネルディスカッション

2004年07月12日 | 近ごろの十四代目
今日は長崎で「日本酒造組合北部九州支部経営幹部研修会」という会合にパネラーとして出席。福岡・佐賀・長崎各県の若手蔵元がパネルディスカッションを開いた。

コーディネーターは「いそのさわ」の高木社長。各県から2名づつパネリストが選ばれ討議したけれど、うん、日本酒の未来は明るいですぞ!規模も市場もそれぞれに違う蔵元だけれども、酒を愛し、仕事に誇りを持ち、将来に展望持つ方ばかり。

これからの時代、僕たち若手が業界を引っ張って新しい酒の世界を切り拓いていくんだ。そんな気概に満ちた討論をすることが出来ました。

壬生義士伝

2004年07月12日 | 読んでる十四代目
壬生義士伝〈上〉

文芸春秋

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浅田次郎なら「壬生義士伝」もお勧めです。98年の作品です。今年は新撰組がブームみたいだけど、大河ドラマを見る暇はなく「ふ~んそうなの?」でした。映画はお勧めできません(良かったという人もいます)。というか、僕は小説を読んだ後に観た映画で楽しめたものがほとんどないんです。

近藤、土方、沖田、といった主要人物に焦点を当てた作品は多くあるけど、吉村貫一郎という隊士はこの作品が出るまではほとんど知られていなかったでしょうね。

幕末という時代に、遠く京を離れた家族を想いせっせと送金する主人公の姿は「最後の侍」を自認する新撰組隊士たちに「守銭奴」と蔑まれる。笑われ、軽んじられながらも彼が貫こうとした「義」とは一体何だったのか。人間の生き方として考えさせられます。

英雄でも傑物でもない主人公に時代と漢と生き方を語らせる。さまざまな語り部によって浮き上がる吉村の心情。やっぱり浅田次郎、泣かせられます。参りました。