すぎなみ民営化反対通信

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安倍政権の「待機児童解消加速化」プラン-横浜方式全国化を批判する!

2013年07月30日 | アベノミクス版「子育て支援」批判

安倍首相の「待機児童解消加速化」プランに関するこれまでの経緯<o:p></o:p>

 参院選での「自民圧勝」を「アベノミクス評価とねじれ解消」と慢心・誤信で総括した、有頂天・軽佻浮薄の安倍晋三首相が、参院選を前にして打ち出していた一連の「成長戦略」の最初に華々しく掲げていた「待機児童解消加速化」プランの「始動」に踏み出しました。政府・子ども子育て会議の出した方針とタイアップした「待機児童深刻10自治体」の「横浜方式」実施プラン(729日読売新聞朝刊トップ)がそれです。 

 

けれども、この待機児童問題で苦しんできた世帯は、参院選の選挙戦の実態も含めて、何なんだという思いでしょう。参院選前に一番早く打ち出した「公約」でありながら、選挙戦では、ついぞ、この「横浜方式」や「待機児童加速化」プランは自民党の候補者の街頭演説で、まるで申し合わせたように語られることはなかった。「アベノミクス効果」と「ねじれ解消」の二点にメディアの争点報道を収れんさせ、そこで「勝負」するために、意識的にそれ以外の「政策」「公約」をとりあげなかったのは、「選挙戦術」というような言いぬけはできない。「非正規雇用」・「ブラック企業」問題や「待機児童」「横浜方式」問題は、具体的実態に踏み込めば、たちどころに大ウソ・だまし打ちがバレばれになるからだ。そこで「賢明」にも明々白々な嘘と対立性が表面化するこれらの問題は「巧みに」回避したというのが事の真相でしょう。<o:p></o:p>

 

 では「自民党が圧勝」し、「国会の衆参ねじれが解消」したから、絶対多数の国会支配で、「何を持ち出しても大丈夫」とでも考えているのか?そうはならない。選挙戦では、ごまかして隠しても、「待機児童」問題は何ひとつ解消しておらず、政府の「解消プラン」やそのモデルの「横浜方式」のインチキ性は、保育現場、地域・家庭で必ず怒りの火を噴く。この際、ハッキリと、これまでの経過を確認しておくのは重要なことだ。<o:p></o:p>

 

 安倍政権が参院選目当てで言いたい放題の嘘八百の「公約」めいたものを並べ立てたのが、4月19日の安倍首相の「成長戦略」スピーチでした。当サイトとしては、間髪いれず、これを大ウソと騙し打ちと断じて、短期シリーズを組んで、暴露・批判を行いました。安倍首相スピーチは、「横浜市、2013年待機児童ゼロ」を打ち上げ花火にして、何の財源的裏付けもなく、また何ら保育士不足の解消の方策もないのに、そしてそもそも「待機児童」とは何なのかの定義も顧みることなく、行け行けどんどんとばかりに、「待機児童解消加速化」=「横浜方式の全国での実施」を打ち出したものです。それがなんぼのものか、その大うそとだまし討ち攻撃については、これまで基本的に明らかにしたとおりです。

 

政府の「横浜方式の全国化」による「待機児童解消加速化」に目新しいものは何もなし!それどころか、 「何でも認可」で「名ばかり保育」、「名ばかり待機児童解消」で「子育て・保育で命を育み守る福祉・職場」を私たちから奪い、解体するものです。「待機児童世帯の子ども」が認可保育所に入れるように認可保育所を増設するのではなしに、認可基準・認可要件をどんどん下げて、現在の無認可保育を全部「認可」してしまえばいいというのが安倍政権の魂胆です!基準・要件にあう保育園・保育施設を整えるより、いまの基準・要件を満たしていない無認可保育園・無認可保育の実態でもクリア・パスできるように基準・要件を変えてしまえば「済む」ことだというのです。この真逆、アベコベの「待機児童解消加速」プランをどうして許せるか!こんなデタラメなやりくちに黙っていられるか!今、求められているのは、政府に対して「待機児童を解消してください」「子どもたちを保育所に入所させてください」とお願いすることなどではまったくありません。かくも乱暴で人をなめきったやりくちで、▲共働き世帯から保育を奪い去り、▲子どもを安心して預けて親が働ける保育所にではなく、▲どんなところでも放り込んで働け、▲それが嫌なら家で育てろ、▲それも嫌なら勝手に苦しめ、国は労働者世帯の子どもの保育などいっさい面倒見ない!・・・この政府の態度と攻撃に対する怒りで政府を追及し、倒すということです。この国の未来を担う子どもたちの保育を政府・企業は投げ出した!子どもは未来だ。この国と子どもの未来を連中にいいようにされてたまるか。この国と子どもたちの未来を築くのは、待ったなしで私たち大人の責任、使命となった。 

安倍政権は、実にいい加減で、でたらめきわまりないことを、「待機児童解消加速化」「横浜方式の実施」と銘打って、やろうとしている。これが核心です!<o:p></o:p>

 1)財源として見込まれているのは、自公民合意の消費税増税(アップ)分からの7千億円のみ!この7千億円では「待機児童解消」には程遠いということは民主党政権下の国会審議でも自公質問と安住民主党財務相の答弁で確定している。ところが、安倍政権になって、この事情に何か変化はあったか?何もありません。そして消費税のアップについても、その第一段階も、「景気動向を慎重に見極め、今秋判断」とされている。いっさいは「アベノミクス効果」で「デフレから脱却」し、「税収も改善」されてからの話で、それだけでは足らない7千億円もこれからの話、ましてや足らない分の「7千億円から先」のことは何一つ先が見えていない話です。これは「財源があるからやれる」「財源がなければやれない」といった議論ではありません。この本質は、財界も政府も、保育・子育て、あるいは言われている「待機児童解消」にカネをかける気などさらさらないということです。ここをハッキリさせることが大事です。カネということで言えば、国=政府には、保育・子育てビジネスで企業がカネもうけする市場をつくるということだけが関心事であり、労働者世帯、非正規世帯やその子どもの保育の権利、命と未来のためにカネをつかうなどということは一カケラも考えてはいないのです。

  (2) そして、それよりも、何よりも彼によりも重大なのは、安倍政権の「横浜方式」とは、どういうものなのでしょうか?ここが問題です。

 
① 安倍首相が言う「待機児童ゼロ」とは、そもそも横浜林市長が勝手にカウントしたやりかたです。(注・実際には認可保育所入所希望なのにフルタイム勤務ならざる非正規世帯ゆえに選考基準・入所要件から外され認可保育所に入れないために、育児休業状態を延長して「待機」を選択した世帯はじめ、市のコンシェルジェの「横浜保育室」等々の斡旋を肯んじなかった世帯、保育ママ等々の選択や民間無認可保育園を選択しなかった等々の理由がある1764人(世帯)を、全部『潜在的待機児童』と称して『待機児童としてはゼロ』とカウントしていることを横浜市長自身追及されて認めています!林横浜市長や安倍首相にとっては、せっかく「入所できる施設」をあっせんしてやったのに、そこに子どもを入れないのは自己選択で、「権利放棄」だから「待機児童」とは位置付けないということなのです。)これを手本に「待機児童深刻自治体」にやらせるということです。員数分だけ、とにもかくにも保育の枠をそろえさえすれば、それで「待機児童ゼロ」政策としては満点で合格、何も、「待機児童世帯」が望む「認可保育所」の保育の枠を国の政策と財政で保障してやるようなことではない、というのです。

 ②しかも、そのような「待機児童ゼロ(解消)」に持っていくための方法がとんでもないものだということです。既に述べたとおり、現在の認可要件での認可保育所の増設ではもとよりありません!
 
 「員数上(保育の枠)」で「待機児童ゼロ」に各自治体がなるまで、無認可だろうと小規模保育だろうと何だろうと「認可保育」として「認可」要件を際限なく緩和すること!これを各自治体でやれ、というのです。つまり認可保育所の認可要件、あるいはそれに準ずるような認可要件、こういう『認可要件』『認可基準』というこれまでの考え方を自治体も子育て世帯も改めよ!と言っているのです。

 要は、無認可保育園であろうと、小規模保育であろうと、マンションやビルの賃貸空室を「保育」目的で活用した託児所同然のものであろうと、「待機児童」数が「員数上ゼロ」になるまで、四の五の言わずに「認可保育」として自治体が認可すれば済むことだ、というのです。小泉保育改革では認可保育所に「詰め込み」と「常勤保育士比率弾力化」で青天井の規制緩和をやったアベノミクス保育改革では、無認可保育でも小規模保育であろうとオール認可、まるごと認可、何でも認可で待機児童をそこに放り込めというわけです。「何でも認可」による名ばかり「保育園」、名ばかり「待機児童解消」が、アベノミクス「待機児童解消加速化」の正体です。<o:p></o:p>

  ③ 大手を振って、株式会社が、ここに参入してくるのは、見本になっている横浜方式と横浜保育室をみれば歴然としています。 

 ここには三つ、重大問題がひきおこされます。<o:p></o:p>

 ひとつは、しっかりした資本力ある株式会社はビジネスとして、その自治体・地域の保育マーケットを占有します。そこではその企業の儲けのために設定された保育単価が入所を希望する要保育世帯に転嫁されます。低収入世帯に手が届かない保育園が当然一般化します。つまり、いま待機児童というとき、もっとも深刻な若い非正規世帯は、保育の場を奪われるのです。<o:p></o:p>

 ★二つ目は、株式会社は、契約社員、非正規・非常勤、パート・アルバイトの圧倒的多用で利潤を追求します。当サイトは、株式会社日本保育サービス、JPホールディングにメスを入れ、光を当てて、ブラック企業として社会的批判をあびてしかるべき低賃金・非正規・短期雇用をその根拠として挙げてきました。使い捨ての保育労働力としてしか考えられていません。そこ行われる保育も労働者のせいではなく、企業の「儲け第一」の保育園運営によって、子どもたちの命と安全と成長はないがしろにされています。<o:p></o:p>

  ★三つ目は、名だたる株式会社にとどまらず、かつて「ちびっこ園」チェーンが引き起こしたような命にかかわる重大事故が絶えません。「何でも認可」により「名ばかり保育」「名ばかり待機児童解消」がもたらすものは、「子殺し」と言っても何ら過言ではない荒涼殺ばつたる状況に突き進むと言うことです。<o:p></o:p>

  政府に「待機児童解消」をお願いしているような場合じゃない!政府との闘いだ!カネ儲けのために「保育・子ども」を食い物にして乗り込んできている企業・資本から、保育を私たちの手に取り戻す戦いだ!

 「子どもの命と未来を守れ」「私たちの保育を取り戻せ」で保育労働者、保育を切実に必要としている非正規労働者家族先頭に、大ウソとだまし打ちの安倍政権をたおそう!

 安倍政権の「待機児童解消加速化」がかくも人を愚弄するもはなはだしいということについて怒り、猛烈な怒りを喚起し、強調したかったということです。

 

 

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