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クォン・デウォンの詩

2009-10-07 16:26:59 | Weblog
ハル 哲学する犬 蓮池薫訳

あまりに解りやすく、優しい心使いの気持ちの休まる詩なので一冊買いました。
蓮池さんの訳が又素晴らしく、感動しました。才能のある方ですね。
先日、この中の 「この世でほんとうに大事なもの」の一部を紹介しましたが、
とてもいい詩なので全部を書いてみます。

この世でほんとうに大事なものってどうして見えないのでしょう?
それは目だけで見ているからです。
目だけで見たいものだけを見ているからです。

じゃあ、ひとが目で見ているものってなんでしょう?
形のはっきりしているものだけです。
流れたり、通りすぎたり、跡かたもなく消えてしまったりするものを
感じ取るには、みんな忙しすぎるのです。
風にさらわれたり、蒸発したり、
触るとなくなってしまったりするものを大事に思う、
心のゆとりがないのです。
だから、しっかり形になっているものしか見えないんです。
まるで、それらがこの世のすべてであるかのように。

もし自分に目がなかったらと、考えてみてください。
目のないまま太陽を見たら、まぶしさより、
まずその暖かさに気づくことでしょう。
花を見たら、美しさよりさきに、香りを感じるはずです。
そしてひとを見れば、顔かたちよりまず、
そのひとの心を感じとるでしょう。
感じるということは、心で見るということなんです。

心で感じて、見るものってなんでしょう?
愛というもの、情というもの、そして思いやりというもの。
それがこの世でほんとうに大事なものなのです。