一瞬一瞬を大切に!

毎日を大切に楽しく過ごしたい

半島へ、ふたたび

2009-10-05 14:57:20 | Weblog
蓮池薫さんの書を読みました。
拉致された時の状況やその後の向こうでの生活がわかるのかと期待していましたが、どう考えてもそれは無理ですね。まだ拉致されて帰ってこられない方たちがおられるのですもの。
キムチを漬けるのが凄く大変だったこと。
よく停電して折角楽しみにしていた映画が見られなかった事。
冬の寒さが半端でなく、停電した時はオンドルもなく薪で寒さを凌いだ事くらいしか知る事が出来ませんでした。

この書は夫妻で韓国を数年前訪れた時の話から始まって、色々彼なりの感想や意見を述べておられるのですが、24年間もの長い拉致生活を経てやっと作家兼翻訳家としての道を見つけた喜びが書かれています。
24年間、青春の真っ只中に拉致され苦渋の生活を強いられた。
こんなひどい事ってないですよ! よく頑張って忍んでこられたと感無量です。
でも今はその苦を韓国語を武器に翻訳や通訳で頑張っておられる蓮池さん。
凄いバイタリティーです!
文章も中々素晴らしくすんなりと読んで行ってしまいました。
ただ作品全体の構成を今少し工夫すると、読んだ後に頭の中で内容の整理が明確に出来たのにと思いました。

最後に韓国の詩人、クォン・デウォンさんの詩を蓮池さんが訳したのがありましたが、とても良い詩でしたので、ここにお借りして記します。

 目のないまま太陽をみたら
 まぶしさより
 まずその暖かさに気づくでしょう
 花をみたら
 美しさよりさきに
 香りを感じるはずです    (この世で本当に大事なもの)より


 一日に一度だけでも
 少しのあいだ
 その場に
 立ち止まってみませんか