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ブーニンの演奏会へ

2009-07-03 18:42:57 | Weblog
昨夜、かねてから一度なまの演奏を聴きたいと願っていたサントリーホールでの演奏を聴きに行ってきました。昨年チケットを申し込んだ時にはすでに時期遅しでいい席は完売、仕方なく最前列、舞台に向かって左の端に近い場所のチケットを買いました。
これがおおきなミス! ソロではないのですから、所詮最初から無理だったのです。ワルシャワ国立フィルとの共演で、ショパンのピアノコンチェルト第一番です。オーケストラとの共演ですから、団員がびっしり並び、指揮台の傍にピアノが入ります。何と舞台への出入りの時は間近に姿は拝めますが、肝心の手の動きが全くみえません。コンサートマスターの女性の豊かな肉体の影で、見えるのは彼の白髪が時々ちらっと、ペダルを踏む黒いエナメルの靴がたまーにチラッと、そして高音を弾くときに振り上げる肘と、その指がチラッとのみ。がっかり! でもこんな席を買った私が悪いのです。馬鹿な私! 馬鹿な私! でもまあ生の演奏は聴けたのだからいいか。
 それにしてもこのオーケストラとの共演は何と殆ど毎日。名古屋から京都、札幌から松戸、盛岡から東京、そして後2回、この間移動に一日休みが2回入るにしても、6月23日から7月4日までの全9回もあるのです。ブーニンは同じこのコンチェルトのみ演奏しますが、指揮者のアントニ・ヴィット氏はかなりのお歳のようですから、かなりハードでしょう。それにしてもブーニンさんは御歳45歳なのに、殆ど白髪、背中も猫背でとても老けてみえました。さすがに演奏は滑らかでさすがだと思いましたが、かなりお疲れのようで心配です。
オーケストラの演奏は2曲。ポーランドのロマン派を代表する作曲家としてショパンと並び称される19世紀の作曲家モニューシュコの序曲「おとぎ話」。初めて聴く曲ですが、何となく哀愁があり、ポーランドの民族的な香りのする小曲でした。
もう一曲はチャイコフスキーの「悲愴」。出だしもおわりも暗く悲愴感漂う名曲。
この曲はチャイコフスキー自身によって初演され、その9日後に世を去ってしまった、まさに悲愴です。
 澄み切った楽器の音色に心奪われ、しばし日ごろの憂さを忘れ、生き返った一夜でした。